出版社内容情報
超人気マンガ原作者はなぜ転落していったのか? 徹底取材で新事実続々、警察と報道によって作られたイメージを根底から覆す衝撃作!
内容説明
徹底取材で新事実が続々!警察と報道により作られたイメージを根底から覆す衝撃ノンフィクション!“漢”の真の人生とは―。超人気マンガ原作者はなぜ転落したのか?
目次
序章 逮捕前夜
第1章 仕組まれた罪
第2章 アントニオ猪木監禁事件
第3章 高森朝樹から梶原一騎へ
第4章 時代に牙をむいた男
第5章 大山倍達との蜜月と訣別
第6章 スキャンダルの舞台裏
終章 母と妻による二つの墓
著者等紹介
小島一志[コジマカズシ]
栃木県出身。県立栃木高等学校、立教大学社会学部(中退)、早稲田大学商学部(産業社会学専攻)卒業。無外派磐城流居合術・剣舞目録。柔道・極真空手弐段。武徳会柔道(椎名道場)初段。芦原裏殺SABAKI・一撃会主宰。(株)MUGEN代表。作家。著書『大山倍達正伝』『大山倍達の遺言』など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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keroppi
81
昨日、アニメ「あしたのジョー」最終回をWOWOWで見た。明日に向かって旅立つジョーの姿を思い浮かべながら本書を読む。アニメとは違い、あまりにスキャンダラスな生涯。暴行事件の数々、アントニオ猪木監禁事件、大山倍達との確執、嫁姑の確執…。赤裸々に描きながら、その当時作られたスキャンダルであり、梶原一騎の純粋さが招いた事件であったと言う。ここに描かれていることは、梶原一騎の作品に夢を見ていた私にとっては、ショッキングなことも多かった。こういう人物だからこそ、あの興奮を呼ぶ作品たちが作れたのかもしれないとも思う。2021/07/30
fwhd8325
61
あの風貌から報道されていた事件の数々は「真実」なのだと信じていました。高森朝雄、梶原一騎の名前でどれだけの少年漫画を読んだだろうか。当時の報道はどれだけの少年たちを傷つけたのだろう。この正伝が「真実」だとすれば、マスコミの存在を疑ってしまう。誰も真実を報道しない。梶原一騎亡き後、その栄光は葬られるように消えてしまったようにも感じる。今から見れば荒唐無稽なストーリーだったかもしれないけれど、少年たちはそこに憧れと夢を感じていた。2022/01/20
ぐうぐう
28
想いは熱になる。熱は高くなればなるほど勢いを生む。その勢いは理屈を凌駕し、人の胸を打つ場合がある。ただ、ノンフィクションというジャンルに関して、熱の扱いには慎重にならないといけない。熱がもたらせる勢いは、書き手の冷静さを失わせ、何より読者を警戒させてしまうからだ。スキャンダル報道によって貼られたレッテルを剥がすべく、梶原一騎の汚名を雪ぐことを目的とした本書は、著者の熱が高過ぎるがゆえ、まさしく警戒せざるを得ないのだ。多くの関係者に取材する姿勢は評価できるものの、(つづく)2021/03/11
チェアー
9
梶原一騎の周りをぐるぐる回るのだけど、決め手に欠け、彼の実像はわからないまま。筆者が描く(思う)「実像」もまた、梶原が張り巡らせた大きな虚像の前に、説得力を欠いてしまうのだ。筆者の主張を聞いているようだった。 2021/10/13
オールド・ボリシェビク
4
梶原一騎という人間も謎が多いんだな。無頼、を気取った結果、どこまでが本当か分からなくなってしまったような気がする。弟・真樹日佐夫もすごい人間だし。「あしたのジョー」「巨人の星」「タイガーマスク」、それぞれの傑作に、幼い日がよみがえるのだが。極真空手の大山会長との蜜月と反発、新日本プロレス・アントニオ猪木との確執など、格闘技の裏面を見る。2021/05/10