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新潮oh!文庫
山谷ブルース

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  • サイズ 文庫判/ページ数 398p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784102901502
  • NDC分類 368.2
  • Cコード C0195

内容説明

「このガイジン野郎!」。悪態と共に食らった顔面パンチをきっかけに、米国人学徒が東京の裏町山谷へ入った。ドヤに住み、日雇いで働きながら、寄せ場の人びとの貴重な肉声を得た労作。

目次

第1章 舞台(山谷巡り;山谷の名所 ほか)
第2章 生活(日雇い労働者;組合員とシンパ ほか)
第3章 活動(労働組合の研究会;組合の企画会議 ほか)
第4章 儀式(秋祭りと冬祭り;忘年会 ほか)
第5章 仕事

著者等紹介

ファウラー,エドワード[ファウラー,エドワード][Fowler,Edward]
1947年生れ。’64年にAFS(アメリカン・フィールド・サービス)の交換留学生として初来日して以来、延べ10年間、日本に滞在する。博士号(近代日本文学、カリフォルニア大学バークレー校)を取得し、デューク大学で文学、映画、社会問題を講じる。現在、カリフォルニア大学アーバイン校教授

川島めぐみ[カワシマメグミ]
高校卒業後、日本を脱出。2年間、ヨーロッパとアフリカで過ごしてから帰国。’87年にラサール・カレッジ(モントリオール)を卒業。主に翻訳業と通訳業。翻訳協力多数
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ホークス

47
元本は1998年刊。米国の社会文化研究者が、1989〜95年に日雇い労働者の街「山谷」に何度も滞在し、実際に働いてみた記録。労働者への聞き取りがあまりに生々しく、しかも大量で打ちのめされた。男社会、家族、組織から否定された男たちが、心の拘束から逃げて行った場所。若いうちは何とか平気でも、次第に心身ともボロボロになる。山谷自体はすたれたが、貧困と引き換えに僅かな自由を求め、かろうじて生き延びる人は今後も絶えない。「空気」の苦手な私などは、村八分になって路上に逃げ出しても不思議でない、怖い風土だと思う。2021/06/16

鷺@みんさー

10
バブル崩壊直前の山谷にて、「ガイコクジン」が、文化人類学の視点からフィールドワークを敢行したルポルタージュ。最初に、山谷について、なぜここがドヤ街になったのか、江戸の初めに武家屋敷のために皮革職人が集められ、役者、娼婦、処刑人などが必要になり、それらの人々が穢多・非人とカテゴライズされ、江戸の中心地から退けられ、集められたの場所が今の山谷となった、という推移が紹介されていて興味深かった。関西人の私には山谷は地名でしか知らない(土地勘がない)ので。2017/04/02

とんかつラバー

8
取材当時は1990年前後のバブル絶頂期。インタビューを受けた日雇い労働者の人々はもうご存命でないだろう。みんな酒をおごってくれたりつまみをくれたり意外と気前がいい。1日働けばその日の暮らしはなんとかなる。安価な食事とそれなりの娯楽。割といい所なのでは?ただし体を壊したり老衰で働けなくなると路上で野垂れ死ぬしかない…日雇い労働者は過去の遺物となったけど、正規雇用が崩壊した今って割と山谷の状況と重なる2022/02/04

まゆ

1
作者自身が徐々に「ヤマの人間」に染まっていく様が興味深かったです。 スカイツリー熱に浮かれる下町の程近くにこのような場所があるとは。想像をはるかに越えた劣悪な環境と労働条件。しかし、彼らと私達を隔てるものはほんの薄皮一枚程度のものであることも感じます。2013/01/20

Takuto Mishina

0
 日雇い労働者が住む東京の裏町に外国人の研究者が住み込む。そこでの経験をもとにした、彼らの生活や活動、祭りや仕事についての詳細な記録である。  読んでいると、労働者があたかも自分に語りかけてくるような、また、自分とともに時間が流れていくかのような「臨場感」がある。そして、社会にはどれだけ多様な人がいるのかということを思い知らされる。一括りにはできない「生きる」ことの多様なリアリティがうまく描写されている。  質的調査(参与観察やインタビュー)の意義がよくわかる本である。2014/10/22

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