内容説明
1955年、17歳のわたしはその後の人生を変える人たちと出会った。憧れの女性に一生を捧げた不思議な老人と親友になり、あるユダヤ人の少女と激しい恋に落ちた。ひと夏の恋は結局実らなかったが、今、38年ぶりに、老人の死がわたしと彼女を再びキャッツキルに引き戻した。二人に与えられた時間はたったの3日―美しい自然と情熱的なアリアを背景に語られる、大人の恋の物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さるる
10
【第9回 海外作品読書会】冒頭の数行で話に引き込まれた。友人である、変り者の老人の死。彼はベンチに座っていつもみんなには聞こえない音楽に耳を澄ませていた。彼の死をきっかけにもう一度動き出すキャッツキルの恋物語。太陽のようにまぶしくて若さあふれる1995年と、年を重ねうまくいかないもどかしい時間をやり過ごす1993年。二つの明暗に分かれた時代の出来事が交互に語られる。後半は主人公ボーボーとエイミーの一度は実らなかった恋の行方が気になって一気読み。優しい魔法に満ちたラストの余韻にしばらく浸っていたい。2014/02/15
ヨリ
0
仲間たちがいいー!カーター!たくさんの人が行き交う町の景色が目に浮かぶ。生きてる人も、もう死んだ人たちも。ベンチも、二人が会った木も。2007/01/01
momokosama
0
訳者がいいのか、非常に読みやすい本でした。作中で流れる二つの時間軸と、エイヴラム・その思い人とボーボー・エイミーの構図が印象的でした。それ以上にエイミーの母とジーン・アーチャーの関係が意外で強烈でしたが・・・。前作の「白い犬とワルツを」の時も思ったのですが、老人の描き方が上手いなと思いました。2011/05/23
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