新潮文庫<br> シャトル外交 激動の四年〈下〉

新潮文庫
シャトル外交 激動の四年〈下〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 686p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784102490020
  • NDC分類 319.53
  • Cコード C0123

内容説明

外交とは「いかに言葉を選ぶか」に他ならない。相手を論破し、説得し、なだめ、そして時には脅しを加える―湾岸戦争を日前に控えた緊迫の日々も、ソ連という大帝国の崩壊を目の当たりにする瞬間も、ベーカー国務長官は常にクールにその外交術を駆使していく。世界の指導者たちの知られざる素顔と、歴史に残る様々な交渉の秘話を初めて明かす、一級資料と呼ぶにふさわしい回顧録。

目次

和平への最後かつ絶好のチャンス
盾が剣に変わる日
瀬戸際の攻防
ゴルバチョフの和平工作
中東の戦後の展望
権力の座に居すわるサダム・フセイン
中東和平会議への序曲―責任は誰が負う
ベルリンからバルカンへ
和平への突破口
揺れる帝国〔ほか〕

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

イプシロン

20
「アメリカの時代」さえ感じる世界情勢の中で、これまた強いアメリカイズムで平和建設を進めた空気感がある。今の混沌とした時代に読むと、常識外の元気さが漲ってくるようだ。経済的にも軍事的にも、施策技術にしても当時最強の位置にいたからこそ実現できたことが多いのだろう。だがそれでもできなかったことがある。民族間対立と宗教間対立だ。究極的には「信頼」が外交においても実を結ぶことを知り尽くしていたベーカーは、それを粘り強さでもって実現していっており、彼の視線が最後は民衆に向けられているところは素直に感動を呼び起こす。2015/08/27

紙狸

6
ベーカー元国務長官の回顧録。原著は1995年、日本語版は97年刊行。「ベルリンの壁」崩壊30年の機に、当時の米外交を復習するために再読した。ドイツ統一過程には、もちろん紙幅を割いている。だがそれ以上に、1991年の湾岸戦争に関連した記述が多い。米国にとって東西冷戦期はソ連が敵だったが、冷戦終結後、新たな脅威、サダム・フセインが登場。ベーカーは、イラクへの対処でソ連と協力できたことで冷戦終結を実感した。関連国への説得、米政府内の調整、米議会対策・・・アメリカの輝ける時代の外交を堪能した。今昔の感あり。 2019/11/12

Tsingdao Beer

0
天安門事件、冷戦の終焉、湾岸戦争、そして中東和平…。今振り返ると本当に激動の4年間。これだけの大仕事を成し遂げた国務長官は他にいないのでは? 一方で、日本は一体何をやっていたのか…。 世界が大きな変化を遂げようとしていた時に、こんなに存在感がなかったのは少々さびしく感じざるを得ない。2013/03/11

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