内容説明
１９１５年の英国。黄金色の髪をした女流画家・キャリントンは、髭面で痩身の作家、リットン・ストレイチーに出会った。同性愛のリットンは、女を愛せないが、やがて、ふたりは惹かれあい、肉体関係なき共同生活を始める。その間、キャリントンは、複数の男と性関係を結びながらも、リットンへの精神的な愛は終生変わらなかった。自分を偽らず、奔放に生きた女流画家の生涯。映画化作品。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
無意味への献身
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これ程重厚さがなければ評伝ではないと思った。英国人らしい機知にあふれた(特にストレイチーの)手紙が縦横無尽に挟まれるのがいい。登場人物たちのやり取り、人間関係が手に取るように浮かぶ。ゲイのストレイチーと、彼を心から愛したバイのキャリントン。その関係は、夫婦でも恋人でもない。パートナーというのとも違う。あらゆる定義を超越している。だからこそ、小説以上に不可解で美しい、本当の愛の光を揺るぎなく放っている。2021/07/27
