内容説明
「ヒューストン、トラブル発生だ」1970年4月13日、アポロ13号は月まであと一歩という段階で考えられない大事故を起こした。酸素タンク、燃料電池、電力ラインが爆発破損し、3名のパイロットが宇宙に取り残される危機に陥ったのだ。唯一の希望の糸は33万キロ離れた地上NASAクルーとの無線交信。絶望の淵から懸命の帰還を開始した船長ジム・ラベル自身が描いた迫真の実録ドラマ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
イプシロン
26
事故の概要とその後の流れを知らずに読めば、間違いなく手に汗握る作品。アポロ1の火災(死亡事故)で、危機管理と広報の重要さが語られ、アポロ8での人類初の宇宙からの月観察は人の心根を伺えた。宇宙飛行士の妻の立場も描写された丁寧な内容だが、中継時の言動さえ自省すべき宇宙飛行士という立場もあってか、その時なにを感じたのかといった心理描写はとても地味であり、極めてノンフィクション色が強いのは少々残念。いくつもの想定外を乗り越えてゆくシーンは当然、原発事故などへの危機管理を考えるうえでは非常に役に立つものだった。2015/09/14
まさげ
12
映画「アポロ13」を観るまでこの事故はは知りませんでした。事故に対する搭乗員、地上スタッフ、搭乗員の家族の行動が淡々と描かれていますが、緊迫した状況が伝わってくるドキュメントでした。登場人物には励まされました。個人的にはジョン・アローが好きです。2018/06/30
槙
11
好きな映画を3つ選べって言われると1本はどうしても『アポロ13』を選んでしまうと思う。とてもおもしろいので宇宙や月に興味なくても、ちょっと試しに見てほしい。 この本ではアポロ1号の火災事故からアポロ13号の帰還とアポロ計画のとりやめまでが書かれており、アメリカの月面探査計画の推移が事細かに記載されていてすごくよかった。 内容がともかく詳細なのでもっとさらっとアポロ13号についてだけ知りたい場合はヘンリー・クーパーJrの「アポロ13号奇跡の生還」の方が読みやすいかなと思う。興味のある方はこちらもぜひ。2019/02/14
Gamemaker_K
10
ついさっきまで昔録画してほったらかしていた「アポロ13」を見ていたのだが、ラスト20分くらいのところで突然「録画が終わりました」と言って終わってしまった。悔やんでもしょうがないので、本棚からこの本を取り出し、ものすごい勢いでラストのところだけ再読した。あまり映画を見ないのだが、トム・ハンクスはいいなあと思う。・・・1日7時間半勤務で換算すると、今週は10日勤務したことになる。その疲れを癒やすつもりで見たはずなのに、余計疲れる結果となった。2015/11/08
ノチヲ
9
本当に翻訳物は読まないけど映画で見たスピリット以上のものが感じられると思って読んだ本。本当にプロフェッショナルで訓練された人間は野生を凌ぐって感じました。ただ残念なのはその後宇宙開発で死亡事故が発生しスペースシャトルがなくなったこと。アポロより貢献できたのに目新しさがなくなると衆目が集まらず破滅しちゃう悲しい事例でした。ぜひスペースロマンを復活させて欲しいです。
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