新潮文庫<br> 幻影の書

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新潮文庫
幻影の書

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  • サイズ 文庫判/ページ数 432p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784102451144
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

その男は死んでいたはずだった―。何十年も前、忽然と映画界から姿を消した監督にして俳優のヘクター・マン。その妻からの手紙に「私」はとまどう。自身の妻子を飛行機事故で喪い、絶望の淵にあった「私」を救った無声映画こそが彼の作品だったのだから…。ヘクターは果たして生きているのか。そして、彼が消し去ろうとしている作品とは。深い感動を呼ぶ、著者の新たなる代表作。

著者等紹介

オースター,ポール[オースター,ポール][Auster,Paul]
1947年生れ。コロンビア大学卒業後、数年間各地を放浪する。’70年代は主に詩や評論、翻訳に創作意欲を注いできたが、’85年から’86年にかけて、『ガラスの街』『幽霊たち』『鍵のかかった部屋』の、いわゆる「ニューヨーク三部作」を発表し、一躍現代アメリカ文学の旗手として脚光を浴びた

柴田元幸[シバタモトユキ]
1954年、東京生れ。東京大学教授。アメリカ文学専攻。『生半可な學者』で講談社エッセイ賞受賞。『アメリカン・ナルシス』でサントリー学芸賞受賞。アメリカ現代作家を精力的に翻訳するほか、著書も多数。文芸誌「モンキービジネス」の責任編集を務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

buchipanda3

101
「これはいくつもの悲しみと、なかば思い出された夢の集積だ」。次々と繰り出される奇術(物語)に取り込まれるように最後まで夢中になって読んだ。まるで幻影のような人生。いや誰にとっても人生そのものが幻影なのか。どれほど数奇な人生でも当人を失うと、誰かがその姿を書き残さない限りその歩みは(公的記録を除き)霧散してしまう。その覚束ない儚さに戦慄いた。それでもフリーダが死者としか対話しないヘクターを生者へ戻し、アルマもジンマーを引き戻したことは幻のようでも紛い物では決してない。それは人生の確かさを導く物語だと思えた。2024/07/23

pohcho

62
家族を突然の飛行機事故で失くし、絶望の日々を送る私を救ったある無声映画。その主演俳優兼監督のヘクター・マンは、何十年も前に映画界から忽然と姿を消してしまっていた。映画の研究書を出版した私のもとに彼の妻から手紙が届く。そしてある日、私の家の前に見知らぬ女が現れて・・。ヘクター・マンの撮った映画のストーリーやその人生が語られるが、数奇な運命の巡り合わせともいうべき出来事の連続。不可思議な魅力に満ちていてとても引き込まれて読んだ。柴田さんの訳も流石。オースター作品は追悼の意も込めて時間を見つけて読んでいきたい。2024/06/01

ウッディ

62
飛行機事故で妻と二人の子供を亡くした大学教授のジンマーは、絶望の中で一本の喜劇映画と出会い救われる。その主役兼監督として10本の映画を残し、忽然と姿を消したヘクター・マン。彼の研究に打ち込むことで、生きる目標を取り戻したジンマーの元に、ヘクターの妻と名乗る女性からの手紙が届く。ヘクターが残した映画が魅力的で、現実にあるなら観てみたいと思わせ、彼の失踪の謎と辿った軌跡もドラマチックで、本当に面白かった。失踪後に彼が撮った映画「マーティン・フロストの内なる生」が難解で、自分の理解が及ばなかったのが少し残念。2024/02/26

市太郎

62
訳者の言葉を借りるのではないがこの小説は本筋の他に別の作品が盛り込まれている作品内作品の秀作。無声映画とそれを作ったヘクターという男性の人生の物語がこの小説には含まれる。実はこの本自体、幻影で語り手の創造ではないかと疑った。だってこの主人公の人生は上手く出来すぎているし、偶然が重なりすぎている。(この話には続きがあるように感じたのは「写字室のなかの旅」というタイトルがあったからだろうか)ともかくこのオースター的な無声映画も幻影の書である。そしてこれは生と死の狭間に自分を救う手がかりを見つける為の書である。2014/03/24

えりか

60
絶望からの再生。突如として姿を消した無声映画俳優の人生と、それを追うジンマーの人生が重なりあう。また幾つもの偶然がもたらすジンマーとアルマの運命。互いの絶望が共鳴しあう。そして随所に挿入される暗示めいた作中作。悲しみの連続であるにも関わらず、どこか心地の良い陶酔を覚える。惑わされているよう。主要な登場人物の全てが大切なものを失い、絶望し、諦め、もがいている。人の悲しみは完全に癒えることはないのかもしれない。深い悲しみと絶望、そして虚無。それでも最後の希望を思い、静かな感動をもって本を閉じる。2017/05/03

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