内容説明
遭難のあとの熱い抱擁は夢だった。傷ついたスカーレットはサヴァナで知り合った父方のいとこのコラム神父らとオハラ一族の故郷アイルランドに旅立った。船中で妊娠を知ったスカーレットの歓び。しかしレットの一方的な離婚届と再婚の知らせに、身も心も引き裂かれたスカーレットはアイルランドに留まり、1875年晩秋に女児を出産。スカーレットと愛娘キャットの新しい生活が始った。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
美雀(みすず)
41
スカーレットはアメリカを引き払って、アイルランドでの生活に期待してたのにオハラ家の人々はフェニアン団という厄介な組織を築いていたのを知って衝撃を受けた。イギリスとアイルランドのゴタゴタは現在でもニュースで時々見ます。この国の事情は複雑なんですね。スカーレットはレットとの子供を身籠って出産。キャットという愛称の女の子が可愛らしいです。レットは何故、スカーレットを探さなかったんだろう?さっさとアンとくっつくなんてねぇ。2015/03/10
佳乃
38
ここにきて、スカーレットが女の賢さを知り、本当の愛とはどうあるべきかを自分自身でわかっていくなんて。あぁ、キャット、あなたがいるからこそ、スカーレットが自分を知り、自分の愚かささえも認め変わっていくなんて。それにしても、コラム、スカーレットのあなたへの友情をそんな風に使うなんて・・・私は許せない。他に違う方法があったかもしれないではないか。あぁ、スカーレットの運命がどうなっていくのか気になる。自分の傲慢さ、愚かさを知り変わっていくスカーレットがますます愛おしい。2017/01/27
佳乃
26
再読、2017/11/29。 スカーレットが女としての賢さを身に付けていく、そして、レットとの離婚。出産。スカーレットにとってかけがいのない存在となったキャット。上の子二人に愛情をかけなかったことを悔やみ、その分をキャットへと。いいのか悪いのかは別として、スカーレットがいい方へと向かっていること、忍耐を学ぶこと。一番好きな巻かもしれない。また、従兄弟のコラムの裏切り・・・展開を知っていながらも目が離せません。バリハラの女主人「ザ・オハラ」頑張れ。ささ、最終巻に急ぎますよ。2017/11/29
寧々子
17
当時のアイルランドの実情や、そこに至る歴史、また妖精の存在が色濃く残る風習など、アイルランドという国の一端をスカーレットの目を通して知ることができました。 妊娠を知らせぬままのアイルランド滞在は、スカーレットに悲報をもたらすのですが、その後の決心には驚かされました! ほとんどがアイルランドで過ごす描写で、レットはずっと思い出のなかでしか登場しないのかと思っていたら、たった一場面ですが登場しました! たった一場面なのにレットの存在感は一気に物語を盛り上げた! やっぱり、レットは存在感あるなぁ♡2017/01/11
Kouro-hou
14
「風と共に去りぬ」の権利者公認続編の3/4冊目。スカーレットさん、父の故郷アイルランドに渡るの巻。本当は観光旅行のつもりが、諸々の事情でそのまま住み着く事に。いろいろあって深く深く反省したスカーレットさんは、心機一転荒れ放題の先祖の土地を大々的に買い取って開墾に乗り出すのでありました。世の中金だ!お金で買えない物は努力と根性で。この続編中では最も前向きで楽しい部分かも。何気にアシュレや放置プレー状態だった実子と和解する部分も良い。しかし人物紹介欄にさりげなく暴力的なネタバレを書くのはいかがなものでしょう?2014/08/06