内容説明
第二次大戦前夜「薄手のカーテン」と冷笑を浴びるまでに弱体化していたイギリス空軍はいかにしてナチス・ドイツの波状攻撃を退けたのか。傑作戦闘機スピットファイア誕生の逸話。ドーバー海峡の防人となったレーダー技術の意味。そして苦難の空を飛び続けた名パイロット達の横顔。「自由主義諸国を守った」といわれるイギリス本土決戦を総合的に検証する迫真のドキュメンタリー。
目次
白昼の惨劇
第1部 本土決戦までの背景(もはや島ではない;土台づくり;爆撃機は侵入できないときもある;遅れてスパートする;時間を稼ぐ;嵐を乗り切る;臨戦態勢)
第2部 決戦(初日;海峡の戦い;邪魔物を取り除く;ワシの日;登場;空襲が続く;戦闘中止、そして戦闘再開;死に物狂いの日々;戦略転換の時;新たな攻撃目標;「不気味な静けさ」;彼我の差は大きい、我が勝ち味は少ない、勝利の利益は無限に大きい;勝利の匂い;戦闘は終熄する)
第3部 本土決戦のあと(振り返れば;交錯 個人的体験の集録)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
えーた
16
史上最大の航空戦といわれる「英国の戦い」を評したチャーチルの有名な言葉、「これ程多くの人間が、かくも少ない人間に…」薄給のパイロット達はこの後にこう付け加える、「しかも、これ程少ない費用で…」。WW2の英国本土決戦を二人の史家が英独双方の資料・戦史を跋渉し、大戦に至った経緯から前後の検証と反省、勇敢な戦闘機パイロットや指揮官の回想録から政治家、貴族、国王、はては一般市民の行動や証言を(ときにユーモアを交えながら)縦横無尽に紙上に著そうと試みた迫真のドキュメンタリー。英国と航空戦闘機好きの方は是非ご一読を。2019/08/24
さきん
11
第二次大戦前夜「薄手のカーテン」と冷笑を浴びるまでに弱体化していたイギリス空軍はいかにしてナチス・ドイツの波状攻撃を退けたのか。傑作戦闘機スピットファイア誕生の逸話。ドーバー海峡の防人となったレーダー技術の意味。そして苦難の空を飛び続けた名パイロット達の横顔。「自由主義諸国を守った」といわれるイギリス本土決戦を総合的に検証する迫真のドキュメンタリー。ドイツ軍は結局海軍力がないからイギリスに攻めいることが出来なかった。レーダーの活用や防空体制の取り方の上手さは賞賛に値する。2015/10/19
gollum
6
バトル・オブ・ブリテンというロイヤル・エア・フォースとルフト・バッフェの戦いは、ロールスロイスとベンツのエンジンの戦い(スピットファイアvs.メッサーシュミットBf109)みたいに単純化してとらえてしまっていたが、短期間ではあるが過酷な消耗戦であったことがよくわかった。ブリテンは確かに上陸計画を阻止し、防衛に成功したわけで「勝った戦い」とは言えるが、戦闘機の損耗と次々戦死するパイロットたちの話を読むと、胸が痛む(もちろん独側も。)巻末の資料は、時系列によくまとまっている。もう少し、地図が欲しいところ。2013/02/25
rbyawa
3
大雑把になににページが割かれていたかというと、「空軍を作るんだー!」「空軍をこれ以上、縮小させちゃ駄目だーっ」と頑張った人は先見の明があったね的な側面でしょうか。非常に少ない人員(全て空、海は一応制覇してました)で、ドイツの侵攻から守りきった、と言われているこのバトル・オブ・ブリテンですが、要するに準備できてなかったんだね、と言うと身も蓋もない。でもまあ、この戦いは私も好きです、なんか人間の尊厳みたいなものを感じるよな。2010/04/03
ねんこさん
2
安価にして詳細。理想的な戦史本です。2008/05/20
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- 和書
- 向日葵が咲いていた