出版社内容情報
〈教団(オルデン)〉創立家に生まれつきながら一族の残虐さに反発し不審死を遂げた母ロサリオ、霊媒行為が心臓疾患を悪化させ死を迎えた父フアン。両親を失ったガスパルは、父が隠してきた闇の向こう側の存在を知り、避け続けてきた〈教団〉と相まみえることを決意する――。独裁政権時代から九〇年代までのアルゼンチン史をも呑み込み、ジャンルを超えてラテンアメリカ文学界を席巻した闇の一大叙事詩!
【目次】
内容説明
〈教団〉創立家に生まれながら一族の残虐さに反発し、不審死を遂げた母ロサリオ、霊媒行為が心臓疾患を悪化させ死を迎えた父フアン。両親を失ったガスパルは、父が隠してきた〈闇〉の向こうの存在を知り、避け続けてきた〈教団〉と相まみえることを決意する―。独裁政権時代から九〇年代までのアルゼンチン史をも呑み込み、ジャンルを超えてラテンアメリカ文学界を席巻した闇の一大叙事詩!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ヘラジカ
34
ダーク・ファンタジーと言うにはあまりにも重く、禍々しい。単なるホラー映画かと思って観たロバート・エガースの『ウィッチ』を思い出した。生物の根源に拘わる原始的な恐怖と、克服するために人々が生み出した宗教は、それ自体が実際のものとして身近にあることから、この作品で描かれている邪教にも妙な説得力がある。南米の混沌とした歴史が土台にあることも物語に重厚感を与えていた。但し小説として見るならば、下巻の前半までは文句なしに面白かったものの、後半には中弛みが出来て終盤もやや拍子抜けの印象。全体の緻密さには唸らされた。2025/10/02
jam
1
すごく長いうえにかなり読みにくかったが、一度その世界に入るとすっと没頭できるような箇所もあった。スティーヴン・キングの長編小説みたいだなと思っていたら解説にキングの『ペット・セマタリー』が着想にあったと書いてあったのでなるほどと思った。現実とリンクしつつ、一大叙事詩のような、また唐突に出てくる怪異が怖くもあり、クィア小説でもあり、よくわからないけどすごいものを読んだなと思う。2025/10/18
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