新潮文庫<br> 評決のとき〈下〉

新潮文庫
評決のとき〈下〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 480p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784102409022
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

カール・リーの弁護を務めるジェイクの周辺では、庭先に燃える十字架を立てられるなどのいやがらせや脅迫が相次ぐ。才気煥発な女子学生エレンと共に準備を進めるが、確信犯ともいえる犯罪で無罪を勝ち取るのは不可能に近い。公判が始まり、黒人と白人の対立が頂点に達するなか、ついに評決のときを迎えたが―。アメリカの裁判の雰囲気をリアルに伝える、第一級の法廷サスペンス。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

302
上巻で既にほぼ全ての条件が出揃っていたので、ほぼ同じページ数の下巻はどんな風に展開させるのだろうと、楽しみというよりはむしろ憂慮さえしていたのだが、全くの杞憂だった。新たに、頗る魅力的な法律助手が現れるし、クー・クラックス・クランも登場するなど、上巻以上の息もつかせぬスピードで駆け抜けていく。本書は法廷闘争をプロットの核としながら、実はアメリカのディープ・サウスそのものをこそ描いていた。後半の法廷の場面は迫真力と推進力に富み、圧倒的な勢いのままにエンディングまで読者を導いてゆく。実にスリリングな物語だ。2016/02/26

遥かなる想い

221
下巻に入ると、白人と黒人 の対立が表面化する。 グリシャムは現役弁護士だった 時代に本書を書いたらしいが、 描きたかったのは何だったのか。 KKKの恐怖、陪審制度の 課題等を著者は丹念に 描いていくが…ある意味 日本も無関係ではいられない 陪審のあり方を問う、 そんな印象が強い展開だった。 2015/12/06

nakanaka

94
先を読まずにはいられなくなるようなハラハラドキドキの展開でした。面白い!この作品を読んでいる最中、ネットニュースでKKKとこれに抗議するカウンターデモの衝突が取り沙汰されていて私にとってはタイムリーでした。正直なところ、KKKはまだ存在していたのかと驚きました。作中でも重要なポイントとなるKKKや人種問題。なかなか難しい問題です。判決が言い渡される場面は感動しました。グリシャム作品はユニークな会話が多く出てくるのでそこも好きです。ますます映画も観てみたくなりました。2016/03/03

扉のこちら側

83
2016年832冊め。【214-2/G1000】下巻はなぜかアルコールにいろいろと持っていかれた感。主題としては報復殺人は許されるのか否かというものなのだが、日本では許されないの一言で終わりそうな話もアメリカだとこうなるのか。判決への布石となった「目を閉じて想像して」の件も、映画だと弁護士ジェイクのセリフだが、原作は陪審員の意見だったのだな。著者が著名になるまで書籍化されなかった処女作でもあり、映画のDVDも絶版・レンタルも不可ということで、未だに人種問題を真っ向から扱うことへの壁の高さを思わせる。2016/10/10

セウテス

65
〔再読〕下巻。白人と黒人の対立が、激しくなってくる。人種差別だけではなく人種の違いによる考え方や方法論など、伝えたい事が幾つ在るのだろうか。法廷闘争を中心に、幾つもの問題が立て続けに起こってくる。スピード感はますます増しており、日本では考えられない過激な思想や行動が、行われるサスペンスを強く感じる。報復に正義は在るのか、という法廷対決を描きながらも、もっと根深いアメリカの闇(病みかも)を訴えているようだ。評決に至る場面の細かな人物描写には、グッとくるものがあるが判決が出ても尚、問題は解決しない辛さがある。2017/05/08

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