新潮文庫<br> 家なき子〈下〉

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新潮文庫
家なき子〈下〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 574p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784102401125
  • NDC分類 953
  • Cコード C0197

内容説明

旅の道中、時に仲間を失いながら出会いにも恵まれるレミ。イギリス人貴族マダム・ミリガンとアーサー母子。弟のように付き従うマティア。レミを家族のように遇してくれた花づくり農家アキャンの一家。国境を超えてイギリス、スイスへと旅を続け、ついに生母の居場所をつきとめるのだが―。レミは永遠に別れることのない本当の家族と巡り会うことができるのか。涙と感動の物語、完結編。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

のっち♬

93
育て親の元へ帰ってきたレミは彼の実親が現れたことを聞かされ、ロンドンへ向かう。前半は炭鉱夫たちの過酷な労働や暮らしの様子が克明に記されており、出水事故における人物描写といい、そのリアリティと臨場感の高さは作中でも際立った印象を残している。対面した家族の犯罪に戸惑いながらも「ぐずぐずしている」レミをフォローする相棒マティアの存在も話に大きく貢献している。「元気を出して!ぼくたちはけっしてきみを見放さないからね」—受けた恩を忘れないレミやマティアたちには謹厳実直な著者の思想が直に反映されていると言えるだろう。2021/02/26

spica015

10
下巻においても上巻に劣らぬ冒険がレミを待ち受けている。出水事故で炭坑に閉じ込められたレミたちの極限状態が迫真の筆致で描かれる。フランス全土のみならずイギリス、スイスにも足を伸ばし、二度も逮捕されながら旅を続けることができたのは、新たに仲間となったマティアのおかげで、この少年が本当にレミを大切に思っているのがよく伝わってくる。実の親を名乗る人物に頑なに仁義を切るレミの姿には苛立ちを覚えるが、様々な助けがあって最後は大団円。実に面白かった。完訳ならではの読み応えのある冒険小説だ。2019/10/03

mino884

9
レミに待ち受ける試練が多すぎて、手に汗握りっぱなしでした。そして、いい人はとことんいい人で、きちんと恩を返すレミの行動に 胸打たれます。 そしてマティアがいなければレミはどうなっていたんだろう。レミに寄り添ってくれてありがとう。 そして、心から美しいご婦人は誰しも好きになること間違いなしでした。 同情するのでお金渡したくなる作品をみなさまもぜひ。 2019/10/14

caramel

7
これを読んでいて、上巻に続き災難ばかりで見ていて辛かったけれど、心の綺麗な人と、そうでない人との落差が凄く際立って描かれていて、お陰で清い心のレミや友人がますます美しく、どれほど貴重で素晴らしいものかがよく見えた。作品が書かれた1800年代とは、現代と価値観もかなり違うだろうと思っていたけど、レミのような子は現代でも愛されるし、これからもそうであってほしいな思う。ラストも良かったです。本当に素敵な作品で、今更ながらも出会えて良かったと思えました。2021/03/11

7
良かった。この時代の作品でこの伏線の張り方は凄いな。構成が見事。これでもかと主人公に災難が降りかかるが、どんな状況でも腐らないその姿に励まされる。暖かなラストシーンが好き。読んで正解でした。時代を超えて残った作品はやっぱり強い。2020/12/09

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