内容説明
ある昼下がりのこと、チョッキを着た白ウサギを追いかけて大きな穴にとびこむとそこには…。アリスがたどる奇妙で不思議な冒険の物語は、作者キャロルが幼い三姉妹と出かけたピクニックで、次女のアリス・リデルにせがまれて即興的に作ったお話でした。1865年にイギリスで刊行されて以来、世界中で親しまれている傑作ファンタジーを金子国義のカラー挿画でお届けするオリジナル版。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
353
全訳版の最初は、読書メーターでも最も登録の多い新潮文庫から。訳は矢川澄子。著書、翻訳書多数。澁澤龍彦と9年間結婚生活を送っていた。澁澤訳の『O嬢の物語』の下訳も矢川のものであったらしい。さて、この『アリス』の訳だが、ルビがないことや語彙、表現の上からも、基本的には大人の読者を対象にしている。3人の少女たちを前に語るという話法が採用された。絵は金子國義。(ここでは抑え気味だが)エロティックな金子独特の様式のリトグラフが12枚。やはり初版のテニエルの絵がスタンダードとしてあるが、構図は金子に独特のものだ。2013/08/17
こーた
268
昼の野原で夢みれば、そこはたちまちワンダーランド。白い兎を追いかけて、たどりついたさきにある、兎の穴をのぞいてみれば、どんどん下へ落ちていき、部屋に置かれた薬を飲めば、体は伸びたり縮んだり。毛虫や亀は物語り、トランプたちは大騒ぎ。おとぎの国は摩訶不思議、ようこそあなたも不思議の国へ。と、真似をしてみた講談調は、訳のせいなのかわからないがすこぶるリズムがいい。ファンタジー。言葉遊び。ナンセンス。この戯れるかんじ、どこかで、それもずっと身近なところで逢ったことがある、と考えるまでもなくそれは落語なのであった。2021/02/19
ちび\\\\٩( 'ω' )و ////
247
前々回読了したオズの魔法使いと同様、アプリのノベルゲーム(パロディ版)からの派生で、原作にも興味が出てきたので読んで見ました。初読ですがアプリで不思議感には少々耐性が出来ているので、むしろ楽しんで読めました。独特の言葉遊びがあったり、独特のルールがあったり、不思議の国では誰一人対話やコミュニケーションが通用も成立もしません(笑)その独特のブレない強固な世界観がオズ同様面白くて秀逸だなと。ファンタジーも好きなので大満足な出来。好きなシーンは、お茶会とトランプの国とラストの法廷。お茶会での言葉遊びが特に好き。2017/02/11
ehirano1
219
初めての英語学習の授業がコレだったことを思い出してなんだか懐かしい。とはいえ、この年まで通読したことが無かったことに加え、安部公房が著者であるルイス・キャロルに影響を受けたとかどこかで読んだこともあって手に取りました。うん、アレコレ考えずにファンタジーを楽しむ本ですね。しかしこれだけの名作ですから、何かを示唆しているのではないかと思いたくもなりますが、今のところ分かりません(泣)。2023/06/19
ちなぽむ and ぽむの助 @ 休止中
180
みんなが知ってるアリスのおはなし。ちゃんと読むのは初めて。不思議の国に落ちこむ長い長い穴が素敵。大き過ぎて小さ過ぎて、姿を変えてみるのは知っていたけどすっごい頻繁に変えるのねとか。チェシャ猫の出番が思ってたより少ない、とか。女王様あんまり怖くない、とか、伊勢エビのシーンなんてあったのね、とか。 自分の中のアリスとギャップがあるのも面白かった。ただ訳が昔のものだからか読みにくく、途中のうたの隠喩もよく分からなかったのが残念。原書ですらすらっと読めたらいいのにな。挿絵が大人な感じで可愛かったです。2019/09/24
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- 和書
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