新潮文庫<br> 平原に狼を見たか

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新潮文庫
平原に狼を見たか

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  • サイズ 文庫判/ページ数 409p/高さ 16X11cm
  • 商品コード 9784102386019
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

アメリカ中西部の田舎町に持ち上がったオオカミ騒動。オオカミは’40年代に滅びたはずだったが、不可解な家畜の被害が相次いだ。被害の元凶を捕らえるべく依頼されてやって来たのはかつて平原中に知られた狼捕り、老イーガン。一方、弟の仇を討つため町を訪れたトム・マクヴェイも知らず知らずこの騒ぎに巻き込まれていった。雄大なプレーリーを舞台に描くアウトドア・ロマン。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

goro@the_booby

43
絶滅したははずの狼によって牛や羊が襲われたのか!真相究明と狼退治に白羽の矢が立った老ハンターのイーガンはラシュモア山麓の町に呼ばれる。住処を求めるインディアン達、弟の復讐に燃える男マクヴェイ、生け捕りをしようとする森林警備隊長、イーガンに期待を掛ける保安官。静かに抑えた文体で物語は進むが、ラストで一つに燃え上がる構成はお見事でした。男は黙ってサッポロビールな作品。2021/01/24

ワッピー

32
かつてスー族の聖地だったブラックヒルズに家畜殺しの獣が現れ、絶滅したはずのオオカミが目撃された報告が上がり、森林保護官は孤高の老猟師イーガンを召集。時を同じくして、その地に住む麻薬ディーラーに弟を殺された主人公マクヴェイが復讐のためにこの地に乗り込み、また国立公園にはインディアンの集団が集結し、不法にキャンプを始める。不穏な風が吹く大平原に殺人事件と環境保護と政治問題が交錯。クライマックスの森林火災を背景に町を去っていくマクヴェイとショパンの好きな保安官の無言のやりとりが渋い盛り沢山の現代西部劇でした。↓2019/11/26

レンジャー

6
題名に惹かれて。メディシンスプリングスって聞いてもどんな場所だか知らないけど、きっと広大な森林を保有する自然の多い場所なんやろなぁ、と想像しながら読んだ。マクヴェイ、マリワナ、FBI。イーガン、森林警備隊、インディアン、タイリクオオカミ。と、複数の人物や物事が絡み合う設定とロケーションは私の好物。マクヴェイの行動は男前だしイーガンはかっこいい。でも使われてる表現が少し解りにくいところあったな。何度か戻って読み返して、ああ、そーゆーことか。みたいな。狼の存在の神秘性が効いている。少し薄味に感じたが。2023/12/19

frog

1
米大統領の巨大彫像モニュメントとして有名なラシュモア山周辺(サウスダコタ州)を舞台とし、復讐劇と巨大オオカミ騒動を合体させた異色のワイルダネス・ハードボイルド。弟殺しの犯人を追ってサウスダコタまでやってきたヴェトナム帰還兵と、45年前に絶滅したはずの灰色オオカミ退治に駆り出された老猟師の二人を主人公とし、そこに保安官や森林警備隊、スー族の過激派が絡んでいく。特に老猟師のヘミングウェイ的人物造形は見事だし、各方面に散らばっていたストーリーが最後に1点に向かってまとまっていく様は実に素晴らしい。2010/09/16

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