新潮文庫<br> 透明人間の告白〈下〉

新潮文庫
透明人間の告白〈下〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 381p/高さ 16X11cm
  • 商品コード 9784102377024
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

安全なねぐらを求めてニューヨークの街をさまようニックの背後から、彼を万能のスパイとして利用しようとする秘密情報機関の魔手が迫る。透明人間には、仕事をし、食事をし、自宅で寛ぐというごく当り前の生活も許されないのか?それどころか、恋人と目を見つめあうことさえ不可能なのだ。苛酷な現実を、創意工夫と旺盛なチャレンジ精神で克服していく、透明なヒーローに拍手を。

著者等紹介

セイント,H.F.[セイント,H.F.][Saint,H.F.]
ドイツのミュンヘン大学で哲学を学んだという異色のニューヨーカー。長い間実業界で活躍し、アスレティック・クラブやコンピューター会社などを経営したのち、若い頃からの夢だった小説に挑戦。ほぼ四年かけて書きあげた処女長編の『透明人間の告白』は、刊行前から出版界の注目を集め、デビューと同時に一躍ベストセラー作家となる

高見浩[タカミヒロシ]
東京生れ。出版社勤務を経て翻訳家に
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

サンダーバード@読メ野鳥の会・怪鳥

74
椎名誠さんおすすめの一冊。後半も一気読み。透明人間として生きていくのがこんなに大変だとは!外をぼんやり歩いていると車に轢かれそうになるし、不用意に音を立てることも、人目につく場所では食事ですら出来ない。秘密組織からの逃走劇が続く。「透明人間の告白」と言うよりも「透明人間の冒険」と言った方が正確かも。かのH.G.ウェルズが生み出した透明人間という古い題材を使って面白いエンタメに仕上げている。30年に一度の本っていうのは大袈裟だけど、結構楽しく読めました。ニック・ハロウェイの今後の人生に幸あれ!★★★★2016/02/27

のっち♬

68
秘密情報機関に終われてニューヨークを放浪する主人公はある日、幽霊の存在を信じる女性と巡り会う。下巻では情報機関との駆け引きなどサスペンス的な色合いが濃くなってきた。上巻では主人公の執拗かつ慎重な行動や反復表現の多用が物語のリズムをもたつかせていたが、こちらも幾分か解消されて比較的スリリングに。自分が存在した様々な証拠や記録を燃やすという痛切な体験までした彼の人生に光がさすような非凡なロマンスが加わるが、このガールフレンドに関しては大した活躍や見せ場がなく、使い所に悩んだまま最後まで来てしまった印象を受けた2018/08/16

蘭奢待

45
これは面白い。透明人間になるという天真爛漫なワクワク感をもたせつつ、現実的な問題に次々と直面する。移動手段、食事、衣服、買い物、家などさまざまな生活基盤が自由に使えなくなる。この発想がものすごい。透明人間は憧れるものではなく、不具者のような障害者のような存在だ。ディテールのしっかりした描写は映画化を意識して書かれたもののように思え、実際映画になったようだが、透明人間をどう表現したのか。2019/09/16

催涙雨

41
上巻の、特に前半の印象に限って言えば今まで読んだ本のなかでもおよそ最悪に近いものだったが、最後まで読んでみるとそこまでひどいものではないことがわかった。とはいえ好きではない方に分類せざるをえない作品であることに違いはない。一人称、それも回顧録の形式で書かれている作品の書き手にほとんど感情移入できないとなると、正直厳しいものがある。頭の中にウェルズの透明人間のイメージが残ったままだったことも相俟って、ガッカリさせられる面のほうが多く嫌な印象に傾いて良い点になかなか注意を向けられないまま読み終えてしまった。2018/09/10

木村 武史

22
個人的にイマイチだった。透明人間となる主人公ニックは、証券アナリストで自由主義的で、いかにもニューヨークに住む現代のアメリカ人といった印象を受ける。行動の全てが自分の利得ためとも思える主人公が、自分は最後まで受け入れる事が出来なかった。それが筆者の狙いなら、成功していると思う。因みに、あとがきに書いてありましたが、ジョン・カーペンター監督の映画「透明人間」の原作だと知ったのが、一番の驚きでした。2021/09/24

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