出版社内容情報
量子力学、相対性理論に次ぐ科学の革命と言われるカオスが発見されるプロセスを、サクセスストーリー的に、しかし、科学的正確さをそれほど失うこと無く描き出した、科学ジャーナリズムの好著。
●部分と全体をまたぐ
個体を超えて、まるで一つの生き物のように呼吸する社会や自然……。システムの「部分」と「全体」は決して切り離されたものではない。豊かな細部はめまぐるしく変化し、時として全体が思いもかけない表情を見せる。「知」はそのふるまいを部分と全体をまたぐ「関係」の中に記そうとしている。
近代科学は対象を冷ややかに見つめ、解剖するように分割する方法で自らの知に取り込む作業を長く試みてきた。これらの「科学的方法」は、細部にむかって洗練され、研ぎ澄まされて、社会の機械的な発展を促してきた。
しかし、自然や生命、社会のふるまいは、そのような断片化・細分化した「知識」の単なる集合では捉えがたいことが判明しつつある。
最先端の知が「複雑系」「カオス」「システム」「ファジー」「情報幾何学」といった「全体と関係」への視点を踏まえた独創的な方法論を通じて、この豊かな全体像を捉えようとする果敢な試みを紹介する。
内容説明
天気予報はなぜ当らないか?水や煙の流れ、人口など生物個体数の増減はなぜ正確に予想できないのか?データ不足による誤差が予想を不確実にすると考えられていたが、実はいくらデータを集めても自然は捉えられない。“予測不可能”なものを予測するための全く新しい科学の考え方、「カオス」。相対論、量子論に続く今世紀最大の発見といわれるこの考え方の秘密を、やさしく説明する。
目次
第1章 バタフライ効果
第2章 革命
第3章 いのちの満干
第4章 自然のジオメトリ
第5章 ストレンジ・アトラクタ
第6章 普遍性
第7章 実験者
第8章 カオスのイメージ
第9章 力学系集団
第10章 内なるリズム
第11章 カオスとその彼方
感想・レビュー
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naimon
roughfractus02
羊山羊
卯月
しんかい32