新潮文庫
針の眼

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  • サイズ 文庫判/ページ数 549p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784102358092
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

1944年春、英国内で活動をつづけるドイツ屈指のスパイ、暗号名「針」は重大機密を入手した。大戦の帰趨を左右する証拠フィルムを携えた彼は、自らヒトラーに情報を届ける決意を固め、盗んだ漁船で単身、祖国に向かう。だが、船は嵐のなかで難破。漂着した北海の孤島に暮らす夫婦が、「針」の運命を塗り替えてゆく―。鬼才が弱冠29歳で打ち立てたスパイ小説の金字塔、新訳で登場。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

納間田 圭

145
もしかしたらノルマンディ上陸作戦は無かったかも。さらにヒットラーは負けてなかったかも。1944年ドイツが連合国に放った…ヒットラーが絶対的信頼を寄せるスパイ。その名はニードル、冷静沈着な男。素顔を知った者はもちろん…少しでも勘付かれた可能性がある者は…躊躇なく殺る。彼は連合軍の国境線カリィに仕掛けられた…ハリボテ囮作戦の決定的証拠を掴んだ。そのエビィデンスの写真ネガを…ヒットラーに手渡すためにUボートにランデブーを試みる。そんな彼が…国境近くにある小さな島で出会った美しい人妻。彼女の気転が…読みどころ2023/03/13

bluemint

6
再読。以前読んだ時は1970年代の冒険小説ブームで、内藤陳氏のガイド本で「鷲は舞い降りた」「女王陛下のユリシーズ号」など多く読んだうちの一冊だった。内容は例によって全く忘れていたので新鮮なスリルを味わえた。前半はじっくりと、後半は文字通り息つく間もなく、厚い本だが他に手がつかなくなるほど読み耽った。読み終えて落ち着いてみれば、サスペンスのお膳立てはお手本のように上手くできており、ちょっと悔しいけれど夢中にさせられても当然と思える。ラストは小っ恥ずかしいほどの、でも大好きなほのぼのエンディング。面白かった。2025/03/07

ゼロワン

3
逃げるスパイ、追いかける者。終わってみれば単純な話だがとても長かった。「手に汗を握る展開」とはまさに。サッカーのくだりよかった。2017/04/01

fritzng4

2
下宿屋の大家を何の慈悲もなく殺す冒頭の場面がとにかく鮮烈。ドイツへの電文を打ち、邪魔者を殺し、電文の続きを打つ。これだけで主人公フェイバーの徹底したプロ根性を物語っている。嵐により意図せず辿り着いた島で人妻に気を許したことで運命が大きく変わるが、それまでの描写の積み重ねが前半と後半での印象的な対比を生む。スパイ、彼を追う者、島の人々、それぞれの視点で無駄なく緊張感を持って描かれる、驚くほど緻密に構成された一作。久々にグッとくる小説を読んだという感覚がある。2021/05/16

まうんてんブック

1
作者特有のロマンスは個人的に好みではないが、それを補って余りあるスリルでページをめくる手が止まらなかった。2012/10/14

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