内容説明
「わたし」アーニーは成功した宝石商だが、外見には全く自身がない。ある日、唯一の親友レッゾが演劇学校をやめ、女友達のビリーを連れて、彼の家へ転がり込んできた。異様な集中力で戯曲を書きまくるレッゾ、甲斐甲斐しくその世話を焼くビリー、そして美男美女の二人をまぶしく眺めるアーニーの、奇妙な共同生活が始まった―。真実の愛の形を探ろうとする著者の、待望久しい第二作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tomaton44
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この作者、グレン・サヴァンとは相性がいいらしい。読んでいて非常に楽しい。前作の「僕の美しい人だから」も非常に良かった。今作では親友とその恋人との三角関係のお話。しかし、みんな病んでる。心や身体や習慣。みんななにかしら癖があり、それぞれが共依存的な関係になってる。しかし、この作品は恋愛物語ではないのかもしれない。男と男の友情の物語な気がする。三角関係は友情を破綻させ、そして考え直すための舞台装置みたいなもの。だからこそ、最後にはレッゾとゴールドマンは舞台に残るがビリーは舞台を降りる。読む価値のある作品だよ。2013/12/15
JUN PRESS
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ストーリーの展開自体が、面白い。 どうなるんだ?とずっと最後まで引っぱっていってくれる。 なんという結末なんだ…、という、いい意味の感想を持ちました。 同著者の他の本も読みたくなった。2012/05/09
月
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凝縮された最後にいきつくまでが、長かった。タイトルの付け方は、前作同様、訳者のセンス。2010/04/05
つちのこ
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処女作『ぼくの美しい人だから』が良かったので、以来サヴァンの名をずっとインプットしていた。第二作である本書が文庫刊行されて早速手に取った。物語の設定は身体障碍者の主人公と年上女性。不釣り合いなのは前作と同しような路線。内容も期待を裏切らない激しく燃える純愛の姿。ポップなアメリカ文学全盛の中で、恋愛小説を描いたらこの人の右に出る作家はいないのでは?と勝手に思ってしまう。期待を裏切らず読後感爽やかな作品だった。1994/03/12