内容説明
ソロ―それは米軍が20億ドルをかけて開発した戦闘ロボットの名前である。ロボット工学と人工頭脳技術の結晶である“彼”は、人間の赤ん坊と同じようにして、言葉や手足の使い方、感情などを身につけた。もう少しで実用という時に、実験の不手際から、ソロは自分が抹殺されると思い込み逃亡を計る。初めて出会った“敵”は、意外にも彼を匿まうが―。異色テクノスリラー誕生。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
JACK
16
☆ 米軍が開発したロボット兵士ソロ。莫大な費用をかけて開発された彼は、人間と同じ様に判断し、より速く、より強く、より正確に行動できる。軍はソロを実戦で試すためニカラグアの村へと送り込むが、ソロは米軍に破壊されると思い込み、逃走を図るのだった。ソロが単なる殺人機械では無く、優秀な人工知能を持ち、人間に近い考え方をするのが魅力。村人との交流、サンディニスタ軍との戦闘、人を殺す事や作られた存在である自分についての苦悩などが描かれます。平成元年発行なので科学技術について古い記述もあるが、読みやすく面白い。2019/10/15
tom
5
戦争用に作られたロボットがいつの間にか判断能力を備えるようになり、雇用主の元から逃げ出して、貧困住民と共に、巨悪と戦うという話。このようにまとめてしまったら、お馬鹿なSFという感じなのだけど、意外に読ませてしまう不思議さがある。平成元年の出版。図書館か古書店の100均で入手する以外にないような本だけど拾いもの。まあ、誰も読まないような本ではあります。2012/10/12
さんそまくら
3
古本屋の100円コーナーで出会えた良作。まとまりもいいし、ソロの描写も存在感が出ているし、ロボットSF作品として好き。気になる終わり方だった2007/05/05
ALBA
3
若干時代遅れなところもありますが、単純なロボットと人間の戦いやAIの成長物語だけではなく、生きているとはどういうことなのかを考えさせられる点は一味違うところです。2011/03/08
留々家
2
古本屋で見かけ、タイトルと表紙が気に入ったので買った。ほぼ予想通りのアクション+人情の物語。工学・政治・軍事まわりの描写には力が入っている。ロボット主人公ものとしての面白さは不足なく書けている。ラストの逆転をきっちり書いてくれた方が気持ちよく読めたと思う。恋愛要素がとってつけた感じで残念。淡く匂わせる程度がよかったかもしれない2015/05/16
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