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新潮文庫
人はなぜエセ科学に騙されるのか〈下〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 406p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784102294048
  • NDC分類 404
  • Cコード C0140

内容説明

人類の最も恥ずべき行為である「魔女狩り」は、似非科学が生み出した。テクノロジーが発達した現代も怪しげな非科学がはびこり、当時と状況はさほど変らない。科学が驚きと面白さに満ちていることを子供たちに伝え、真の科学する心を養わなければ、人類の未来はない。科学者の責任はとてつもなく重い。卓越した惑星科学者で科学啓蒙家、「核の冬」の警告者からの渾身のメッセージ。

目次

第13章 事実にこだわること
第14章 反科学
第15章 ニュートンの眠り
第16章 科学者が罪を知るとき
第17章 懐疑する精神と、驚嘆する感性との結婚
第18章 風はほこりをたてる
第19章 くだらない質問というものはない
第20章 火に包まれた家
第21章 自由への道
第22章 意味の虜
第23章 マックスウェルと科学オタク
第24章 科学と魔女魔術
第25章 真の愛国者は問いを発する

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

トムトム

17
アメリカ人の科学レベルに警鐘をならす!セーガンさんがこんなに一生懸命熱く語っても、今も何も変わっていない事に少々がっかりします。4000年前のシュメール人も一般人の無知を嘆いていたので、この感じは人類永遠のテーマなのかもしれません。宇宙人はいるかもだけど、地球人にちょっかいは出していない。自称ナポレオンの生まれ変わりは1万人以上いる。自称坂本龍馬の生まれ変わりは何人いる?脳にとって思い込んでしまえばそれは真実。思い込みと事実の違い。自分も胸に手を当ててよーく考えれば、記憶の美化・捏造はあるんだろうなぁ。2020/06/16

猫丸

16
モミアゲあたりからアゴにかけて薄いヒゲをつなげ開襟シャツ。テラテラしたズボン(最近はパンツというらしいですね)を履き、ヘッドセットなど付けての独り舞台。そんなITだか何だか知らない分野の成金がイケてると思うなら勝手にするがいいさ。僕らにとっては、肋骨直下でベルトを締め胸ポケットにはボールペン、寝癖付きの頭で白墨まみれのオタク科学者がヒーローでもいいんだ。でもセーガン博士は品の良いスーツに身を包みジェントルな雰囲気と真理に対する熱情で乙女を魅了するイケメンだぜ。真のヒーローとはセーガンその人である。2019/12/21

シャル

6
ここで語られるのは、とにかく多方面にわたって真の『科学の力』についてである。なぜ科学は疎んじられるのか、科学が政治に対してできることやってしまったこと、子供たちの科学への関心についての懸念とその伸ばし方、科学者の振舞い方、そして、科学の根底である、疑問を持つということの力。力強く訴えながらも、時に悲観的であり、時に愚痴っぽくもある語り口は、翻訳者のあとがきで理解できる。なるほど、これはさらに未来へ遺言なのだと。エセ科学に、そしてその他諸々のはびこる都合のいい言葉に騙されぬよう、疑問を持つことを訴える一冊。2013/08/08

しんかい32

6
下巻ではテーマも広がり、社会の現状と将来についてのセーガンの思索が繰り広げられる。科学とは権威をうのみにせず仮説を吟味していく態度のことなのだ、とする本書は、言論の自由と真実への深い関心こそが権力の暴走を防ぐのであり、そうした理想は科学する精神と非常に近いという認識を語って終わる。くどい部分もあったがまあまあ面白かった。2010/11/06

takejin

5
下巻に入ると、語り口が変わる。熱い思いがあふれ出すように。そして、この本が遺書の様なものであることを知る。科学者の立ち位置は、漫然とエセ科学を見過ごしてはいけないのだと。科学するという姿勢が、唯一世界を救うのだ。現代に魔女狩り(そして、魔女狩りもどきも)を復活させてはならないのだ。勇気を持って懐疑的に生きよう。2011/01/18

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