内容説明
1972年9月、PLOの過激派「黒い九月」がミュンヘン五輪選手村を襲撃し、イスラエル選手団の一部を虐殺した。激怒したイスラエルの秘密情報機関モサドは暗殺チームを編成し、アラブ・テロリスト指導部の11人を次々に消して行く…。今は本名を変えて米国に住む、元暗殺隊長の告白に基づく凄絶な復讐の記録。冷徹な組織の論理と揺れ動く個人の心理をドラマチックに描出する。
目次
1 秘密情報工作員への道
2 歯には歯を
3 暗殺行
4 祖国よ、さようなら
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
キムトモ
16
序盤、イスラエルとレバノンの関係性がピンこず難儀しましたが…モサドチームによるパレスチナ軍団への復讐物語と読み始めたらすんなり頭に入ってきました。アフナー率いるモサドチームが疲弊し削られて(仲間があっけなく殺されて)いく様子、特に最後の一人の死に様は寒々してしまった。(ノ-_-)ノ~┻━┻映像化された「ミュンヘン」を至急確認です~筆者作成レポート、あとがきも大変為になります一読の価値大有りです~2015/08/04
Satoshi
10
スピルバーグ映画「ミュンヘン」の原作。パレスチナテロの報復のために11人のテロリストを抹殺するモサド工作員のドキュメント。映画と異なり、淡々と描写される殺戮の場面が虚しさを感じる。パレスチナがテロに走った根本的な原因を知っているので、尚更だ。2020/07/16
tai65
5
星5つ2015/01/21
泉 勇一郎
4
考えさせられる話だった。スパイは使い捨ての道具なのだろうか?しかし、目には目を で報復に出ること自体は英断だと思う。拉致されたら拉致して交換して取り戻そうとしない我が祖国はどこに進む気なのだろう? 80点。2017/12/09
kinka
4
モサド。響きだけでなんかヤバい、怖い奴らっていうイメージ。これは、元モサド工作員の証言を元に、非公式の暗殺チームの活動を描いたもの。彼らはミュンヘンオリンピック事件の復讐のため、西欧在住のアラブ人テロ指導者達を次々に消していく。いずれ劣らぬスペシャリスト達だが、長年の殺人や報復の連鎖に次第に疲弊していく様子が陰惨だ。イスラエルという国の多様な面も見られて興味深い。スピルバーグの映画ミュンヘンの原作本。映画もスピルバーグの暗黒面全開のおっそろしい、全方位に喧嘩売ってる素晴らしい作品なので、一見の価値あり。2015/04/18