内容説明
26年前にヴェトナムで戦死した筈の米国陸軍兵士の認識票が、突然その両親の許へ届けられた。それも、クリーシィの名を記した紙片に包まれて。両親の切願で、かつての若き戦友の生死を確認すべく、クリーシィは現地に飛んだ。彼をおびき寄せるための計略の気配を感じとりつつも。事実、邪悪で賢く、美貌の復讐者が周到かつ壮絶な罠を仕掛け、彼を待ち受けていた…。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うわじまお
42
20数年ぶりのAJクイネル、クリーシィ・シリーズ、全5巻すべて読み終わってしまいました。もうこの先の続きが読めないと思うと、残念でなりません。というわけで、「サン・カルロの対決」へ!2018/09/25
タツ フカガワ
32
26年前、ベトナム戦争で戦死したはずの米軍兵士の認識票がクリーシィの名前を記した紙に包まれて両親の元に届けられる。当時同じ部隊にいたクリーシィは、両親の依頼で兵士の生存の確認、救出に乗り出す。が、これはクリーシィ殺害を狙った巧妙に仕掛けられた罠だった。なんといっても『ランボー 怒りの脱出』や『特攻野郎Aチーム』を想起するようなクライマックスのスリリングな攻防が面白かった。シリーズ5作目、掉尾を飾る最終巻でした。2021/11/18
ヨーイチ
21
読むものが無くなって、物色の結果読み出したら最後まで行ってしまった。何回目だろう。所謂スパイとか戦争とか犯罪を扱ったシリーズで作者のクィネルはフォーサイスと並んで小生のお気に入り。クィネルの持ちネタで大戦後、アルジェリアの独立に反対してクーデターを企てた外人部隊兵士達が事破れて撤退する際、ピアフの「私は後悔しない」を歌いながら行進して、それを多くの市民が泣きながら見送ったという話が心に沁みる。その後もピアフの命日には墓石に外人部隊からのカードと花が手向けられていたらしい。これ、本当の話なのだろうか。2015/10/11
スー
18
遂に傭兵クリーシィ最終巻、読む前に主要キャラの無事を祈るのも最後、こんなにキャラの無事を祈りながら読むのは銀河英雄伝説以来ですかね。今回はベトナム戦争中に戦死したものと置き去りにした目をかけていた若い兵士の父親が息子の認識票と手書きのメモが届いたと会いに来て真相を探り過去の心の傷を埋めるためにベトナムそしてクメールルージュが蔓延るカンボジアへ行く、そこで待っていたのは過去の憎しみだった。クリーシィが語るフランス外人部隊の今も続く絆の話やベトナム戦争の裏話とても楽しめました。クリーシィお疲れさまでした2018/12/12
ヨーイチ
10
ときたまクリーシィと傭兵仲間に触れたくなる。ベトナム戦争やクメールージュも遠い過去。宝物の様に出てくるRPG7なんて今でも現役なのだろうか。少なくとももっと軽く小さくなっているだろうな。フリーの傭兵も様変わりしてるだろうし。今となっては、お伽話である。でも無茶苦茶カッコイイ。堪能した。2014/07/09