内容説明
韓国訪問を予定しているローマ法王を密かにKGBが狙っている―。法王を守るためその側近たちが出した結論は、アンドロポフ書記長暗殺だった。〈法王の使者〉として選ばれた男は、亡命したポーランド秘密保安機関のエリート少佐。妻を装った若く美しい修道女を道連れに、クレムリンへの長く危険な旅が始まる!大胆な構想で展開する、息もつかせぬポリティカル・サスペンス。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hit4papa
64
1981年ローマ法王ヨハネ・パウロ2世が、サンピエトロ広場にて銃撃されました。本作品は、この歴史的な事実を取り入れたエスピオナージです。ストーリーの核となるのは、事件の首謀者がソビエト連邦 アンドロポフ書記長で、ローマ法王の暗殺を諦めていなかったという大胆な仮説です。ヴァチカンはアンドロポフを抹殺せんと画策します。指名されたのは、冷酷無比な暗殺者スツィボル。その相棒はなんと美しい修道女!ハラハラドキドキの展開が待っています。恋愛小説としても楽しめる作品です。スツィボルのイメージはブラピでしょうか。2019/12/17
goro@the_booby
59
ヨハネ・パウロ二世の暗殺計画を練るソ連アンドロポフ書記長を先に亡きものにせんとヴァチカン側近が送り込んだのは元ポーランド将校ミレクと計画を知らない修道女アニア。夫婦を装いチェコ、ポーランドそしてモスクワへ。反共組織の手助けを受けながら進むのだが、KGBも必死の警戒網を敷いてくる。足手まといになったら殺すと非情のミレクなのだが二人の関係は危機を乗り越えるたびに親密になっていくのだ。展開はベタだが読む手は止まらないぜ。さすがクィネルですわ。また他の作品も読みたくなったよ。2022/04/28
bookkeeper
25
★★★★★ 再読。ローマ法皇暗殺計画を防ぐために、ソ連アンドロポフ書記長を暗殺せよ!使命を果たすチームは殺し屋と敬虔な修道女。片や書記長への憎悪に生き、片や神への愛に生きる。正反対の二人は反目しながら、厳戒のクレムリンを目指す。 冷戦時代の空気を知っているだけに、不可能ミッションへの挑戦にハラハラが止まりません。あの頃のモスクワに潜入できる気もしないし、修道女を何とか出来る気もしない(笑)。サスペンスとラブロマンスの絶妙なブレンド。コレはオススメ! 「わたしは殺し屋さんと恋に陥ってしまったのね」2019/03/01
風に吹かれて
19
その頃のソ連書記長はアンドロポフ。ソ連の東欧支配の要がポーランド。ポーランド出身のローマ法王ヨハネ・パウロ2世の言動がアンドロポフは気に入らない。法王暗殺を阻止すべくヴァチカンの枢機卿、大司教、司祭の《われら3人組》がアンドロポフに《使者》を送ることにする…。 KGBの警戒網をかいくぐって《使者》はアンドロポフの目の前に現れることができるのか。各地に教会を擁するヴァチカンの情報網や様々な関わりで関係を結んでいる工作員たち、ソ連の国を挙げての大捜索。 →2023/02/10
shiaruvy
10
★4.5 [S62.10.25 初版] たぶんクィネル作品は全て読んでいると思うが,東西冷戦時代のソ連とその衛星国・カトリックのヴァチカン・暗殺・知略謀略情報戦・タイムリミットサスペンス・恋愛の要素が入っているこれが一番好きかも..。 盛りだくさん過ぎて最後は駆け足になり完成度は下がるけど,フォーサイス『ジャッカルの日』並みにおもろい!2013/06/09
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