新潮文庫 デリリウム１７

オリヴァー，ローレン【著】〈Ｏｌｉｖｅｒ，Ｌａｕｒｅｎ〉/三辺 律子【訳】

新潮社（2014/02発売）

• サイズ 文庫判／ページ数 587p／高さ 16cm
• 商品コード 9784102185117
• NDC分類 933
• Cコード C0197

出版社内容情報

愛は病である。幸い治療法はある。17歳のレナは、その手術を楽しみにしていたが……。全米が騒然とした超弩級、近未来ＳＦ小説。

愛が病と認定されて64年、その治療法が確立してから43年――。17歳のレナは、病への感染を規制する政府の手術の日を迎えようとしていた。ある日、すでに治療を受けたアレックスと出会い、彼女の気持ちに変化が訪れる。恋愛は違法と知りつつもどうしようもなく“病”に侵されていく。治療の日まで95日間。レナの孤独な闘いが始まる。全米騒然、超弩級、近未来ＳＦ青春小説、上陸！

内容説明

愛が病と認定されて６４年、その治療法が確立してから４３年―。１７歳のレナは、病への感染を規制する政府の手術の日を迎えようとしていた。ある日、すでに治療を受けたアレックスと出会い、彼女の気持ちに変化が訪れる。恋愛は違法と知りつつもどうしようもなく“病”に侵されていく。治療の日まで９５日間。レナの孤独な闘いが始まる。全米騒然、超弩級、近未来ＳＦ青春小説、上陸！

著者等紹介

オリヴァー，ローレン［オリヴァー，ローレン］ ［Ｏｌｉｖｅｒ，Ｌａｕｒｅｎ］
１９８２年ニューヨーク生れ。シカゴ大学で文学と哲学を学び卒業後、ニューヨーク大学で創作学修士課程を修了。その後、出版社に勤務しながら処女作“ＢＥＦＯＲＥ　Ｉ　ＦＡＬＬ”を書き始め２０１０年に刊行される

三辺律子［サンベリツコ］
翻訳家。東京生れ。聖心女子大学英語英文学科卒業。白百合女子大学大学院児童文化学科修士課程修了（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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[ねりわさび]

人間の愛情は全体社会にとって病であるため物理抹消する。という主義に変化した近未来のアメリカ連合国に住む少女と青年の恋愛を描いたSF青春ロマンス小説。オーウェルの1984のディストピアへの視点をヤングアダルト目線から再構築しているところが面白い。10代向けの小説なので内面描写が多く展開にダラつきはあるのですが、話の筋は通っていてわかりやすいです。面白かったですね。

2022/04/26

[絹恵]

眠らせたイヴの断片に彼の言葉が白んだ夜明けを告げ、禁じられたくちづけで目覚めると、その愛に泣き出しそうなほど怯え甘くふるえました。愛は病だと定義付けても、どの感情の根源も愛から切り離すことは出来ないと思います。自身の意志だけが境界を越えさせ、そしてLOVEの刻印からマリア・マグダレナに導かれるように全ては「愛してる」のために。(一作目/三部作)

2014/04/24

[すみの]

愛は病巣、故に18歳で手術を受け、マッチングされた相手と結婚することこそ幸福な人生だと信じられている世界。恋愛は違法で、愛に感染した者は逮捕、劣悪な環境の獄中生活を送る。主人公レナは手術をそろそろ控える17歳でそんな時にアレックスと出会う。お互いに惹かれていく若い二人が辿る運命は厳しい。亡くなった父を忘れられない母の身に起こった真実、愛を失わなかった母の姿は、アレックスを愛し始めるレナと重なる。巻末の二人に泣きそうになり、どうにかしてあげたい。レナは『マグダラのマリア』由来の名。

2017/01/14

[mabel]

愛が病とされ禁じられ、誰もが治療手術を受けなければならない近未来。17歳のレナがアレックスと出会いはじまるお話。なんだか二人の恋の行方よりも、この国の社会や政府の管理体制が気になってしまった。妙にアンバランスで矛盾だらけで到底成立しないような。もし成立していたとしても崩壊が近いような。でもだからこそ、逆にリアルな近未来にも思えてくる。 どれほどのことがあれば人はこんな社会を求めたくなるんだろう。ヴェルヌ「人間が想像できることは人間が必ず実現できる」という言葉を思いだし、なんだか胸がすごくザワザワした。

2014/08/25

[Tomoko.H]

本屋での出会いを信じて、普段あまり読まないSFなんぞを。自分の自由な感覚や考えを持つのが制限される世界。これはどうしても『1984年』が思い浮かぶ。あれよりは、監視も規制も甘く、少しはましな世界…？けど、脳手術をうけて心の感覚が鈍くなり、決められた仕事・伴侶で生き続けるのが大人になることだってことに疑問を抱くのは普通だよね。ハナやレナだけでなくさ。それまでは健康に育ってるんだから。全体的には世界はまあまあ、スリリングな展開は楽しめた。

2017/10/22