新潮文庫
ケプラー予想―四百年の難問が解けるまで

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 504,/高さ 16cm
  • 商品コード 9784102184714
  • NDC分類 410.2
  • Cコード C0141

出版社内容情報

解決まで実に四百年。「フェルマーの最終定理」と並ぶ超難問を巡る有名数学者達の苦闘を描いた、感動の科学ノンフィクション。

17世紀初頭、大科学者ケプラーは、「同一の球を最も効率よく三次元空間に詰め込む方法は、果物屋のオレンジの積み方と同じ」という予想を立てた。が、一見簡単に見えるこの命題の証明にかかった年月は実に400年。「フェルマーの最終定理」に並ぶ超難問として知られ、20世紀末に天才数学者ヘールズがコンピューターを駆使して最終証明を果たした問題を巡る感動のノンフィクション。

内容説明

17世紀初頭、大科学者ケプラーは、「同一の球を最も効率よく三次元空間に詰め込む方法は、果物屋のオレンジの積み方と同じ」という予想を立てた。が、一見簡単に見えるこの命題の証明にかかった年月は実に400年。「フェルマーの最終定理」に並ぶ超難問として知られ、20世紀末に天才数学者ヘールズがコンピューターを駆使して最終証明を果たした問題を巡る感動のノンフィクション。

目次

砲弾とメロン―最初の問いかけ
十二球のパズル―ケプラー予想の誕生
消火栓とサッカー選手―二次元の場合は?
トゥエの二つの試みとフェイエシュ=トートの功績―二次元での解決
何人いっしょにキスできる?―ニュートン=グレゴリーの三次元接吻数問題
ボールをネットにくるんでみたら―三次元接吻数問題の解決
潰れた箱―ガウスによる三次元格子充填の解決
正真正銘の難問―ヒルベルトの問題提起
遅々たる歩み―上界を引き下げる
シアン事件―偽の解決
真打ち登場―へールズによるケプラー予想の証明
コンピューターとアルゴリズム―へールズの手法
それはほんとうに証明なのか―コンピューターと数学
蜂の巣再訪―離散幾何学の未解決問題
これはエピローグではない

著者等紹介

スピーロ,ジョージ・G.[スピーロ,ジョージG.] [Szpiro,George G.]
1950年生れ。スイス連邦工科大学で数学と物理学を学んだのち、スタンフォード大学でMBAを取得。ヘブライ大学で数理経済学と財政学の博士号を得る。いったんビジネス界に入るが、その後チューリヒ大学などで教鞭を執り、30本以上の論文を執筆。現在は科学ジャーナリストとしてスイス系日刊紙のイスラエル駐在特派員を務める

青木薫[アオキカオル]
1956年、山形県生れ。京都大学大学院で博士号を取得。翻訳家。2007年、日本数学会出版賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

この商品が入っている本棚

1 ~ 2件/全2件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

しろ

12
☆6 「同一の球を最も効率よく三次元空間に詰め込む方法は、果物屋のオレンジの積み方と同じ」というケプラー予想。こんな単純明快そうなことを証明するのにかかった400年を詰め込んだノンフィクション。大胆な発想をする者、目の前の問題を地道に証明する者、意外な応用を見つける者、何百人もの数学者が挑み、道を作っていった。特に印象的なのはガウス。実際に最終証明をしたヘールズのコンピューターによる証明は、数学的にはそこまで美しくない。解らないところは多々あったが、数学の素晴らしさが伝わってきた。2014/01/11

roughfractus02

5
「同じ半径の球を敷き詰めると最も隙間なく埋められるのは面心立方格子である」というケプラー予想は従来の演繹でなく帰納的な数え尽くしの難題ゆえに、高速処理するコンピュータが解決した。オレンジを隙間なく埋めるとピラミッド状になるという経験則では説明可能なこの問題が数学で扱えないのは、隙間なく埋める立方体を計算で導出する必要があるからだ。T・ヘールズはポロノイ・セルとドロネー図のハイブリッドを駆使し、塩化ナトリウム原子と同じ格子構造を導出した。こうしてヘールズは400年未解決の問題を、最適化の問題として解決した。2018/02/13

しょー

5
数学の世界の厳密さに目が飛び出る。その完璧さは見る者には芸術の世界に見え、創造者には茨の道に見えるのではないか。2015/06/13

Satoshi

5
数学界の難問の一つとされており、最終的な解決(証明の正しさの確認)は2014年まで成されていなかった。問題は単純で、箱の中に球を充てんする際に最も効率的な方法は何か?というもので、直感的に交互に積めばいいんじゃないかと思うが、これの解決が全然できておらず、最終的にはコンピューターの助けが必要となった。数学的な話が出てきたら全然ついてこれなかったが、本問題に挑んだ天才たちの経歴や中途でなされた誤った証明とそれを指摘した数学者との論争など、人間ドラマとしても面白かった。2015/07/18

東中亭どテ珍

5
再読。球の最密充填は六方最密充填/面心立法充填だという400年前から予想されていて物理学者は正しいと思っていることがいざ数学的に証明しようとすると異常に難しい、ということとその証明までの歴史を詳しく書いた本。途中も図形のイメージや記述を理解するのが難しいし最後の証明が5000くらいのパターンをコンピュータで虱潰しで解決がエレガントじゃない印象になってしまうのも仕方ない。ここに凄い知識があるんだろうけどちゃんと理解できないっていうのはもどかしい2014/07/31

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/7842400
  • ご注意事項

最近チェックした商品