新潮文庫
コズモポリス

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  • サイズ 文庫判/ページ数 318p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784102183212
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

出版社内容情報

巨億を動かす若き寵児はその日、破滅の危機にあった――相場と殺し屋によって。現代世界文学最大の巨匠が放つ極上のサスペンス。

若くして超巨大ハイテクリムジンから秒単位で金融取引を続ける時代の寵児エリック・パッカー。NYをゆっくりと移動する車の中で、その日彼は円の変動から巨億を失う危機にあった。しかも繰り返される謎の脅迫――殺し屋の影がちらつく間もビジネス、セックス、形而上学的対話に没頭する男のリムジンはどこへ行くのか。彼の運命は。現代世界文学最大の巨匠が放つ極上のサスペンス。

内容説明

若くして超巨大ハイテクリムジンから秒単位で金融取引を続ける時代の寵児エリック・パッカー。NYをゆっくりと移動する車の中で、その日彼は円の変動から巨億を失う危機にあった。しかも繰り返される謎の脅迫―殺し屋の影がちらつく間もビジネス、セックス、形而上学的対話に没頭する男のリムジンはどこへ行くのか。彼の運命は。現代世界文学最大の巨匠が放つ極上のサスペンス。

著者等紹介

デリーロ,ドン[デリーロ,ドン][DeLillo,Don]
1936年、ニューヨークのブロンクスで生まれる。’71年、『アメリカーナ』でデビュー。’85年に『ホワイト・ノイズ』で全米図書賞を受賞、’88年、『リブラ時の秤』が全米ベストセラーとなり、名実ともに現代アメリカ文学最大の作家となった。’97年、大作『アンダーワールド』が全米図書賞の最終候補に。以後毎年のようにノーベル文学賞候補としてその名が挙がる、世界文学を代表する作家の一人である

上岡伸雄[カミオカノブオ]
1958年、東京生れ。学習院大学文学部教授、アメリカ文学専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケイ

116
『ハイライズ』しかり、『アメリカンサイコ』でしかり。ネクタイをして、若くて、お金があって、高いビルに住んで、やたらと発情し、そのうちにすべてが狂う。その種の狂い方には、まいるな。周りを巻き込みすぎた。結局、もうとっくにおかしかったのが、トーヴァルの不安を掻き立てるほどの巨体が引き金を引いたのかしら。。。2020/08/08

ずっきん

66
初デリーロ。ポストモダン(超苦手)と聞いて敬遠してたけど、いやいやどうして、読ませる読ませる。若くして巨万の富を築いた投資家エリックは、巨大なリムジンに乗って資本主義とテクノロジーの海を泳ぐ。雨あられと浴びせられる体言止め。スピーディーに流れる情景。臨場感の暴風雨の中、彼と共に向かう先には......読み終えて虚脱してしまった。わかっちゃいたんだけど、なんだろう、この置き去りにされた感じ。殴られる寸前にパスアウトさせられ、目を覚まして唖然みたいな。むー、上手く伝えられないけど、衝撃の読書だった。2023/09/16

藤月はな(灯れ松明の火)

59
エリックの味わう感覚は、鮮烈なイメージを伴っている。しかし、「その感覚を味わっている自分」を醒めた目で見ている視点があるのだ。この感覚は理性と感情が一致しない時と似ている。全てがスケジュール通りに行われつつも寝られず、床屋に形式的に行きたがるエリックの姿は、実存する身体を時間という概念に拘束された現在人を極度に映し出したものだ。ぶっかけられた生クリーム、関係性が希薄な恋人に依頼するボトル・セックスを通しての視姦、そして殴られて流す血。卑猥なモチーフに見え隠れする身体的感覚への回帰と紙一重なタナトスの予感2014/12/26

harass

36
初デリーロ。映画化されて文庫になったもの。ほかのより取っ付き易そうだったから手にとった。ハイテクリムジンから世界経済を牛耳るエリックと彼を狙う者、勝負を賭けた日本円の急落… サスペンスかなあと。映画的なシーンと形而上的な会話と概念の数々。短めなので一気に読むべきだったかも。何度か中断したためかあまり気分がのれなかった。難解であり魅力が無いことはないがうーん…… 重要な作家だとよく聞く名前だが日本では受けにくい作家かと。2015/06/02

YO)))

34
めっちゃ面白く読んだ。 テクノロジーと市場経済の果ての終末における身体性・人間性の喪失と(再)獲得、みたいなお話し。 主人公の乗るハイテクリムジンは、常に渋滞やトラブルに巻き込まれ、決して疾走することなくノロノロと進む。 この遅さが、リムジンが進むのではなく周囲の景色がスクロールしていくような奇妙に相対化された空間と、一日の内に人生における業のすべてを追体験するような不思議な時間を創出しており、即ちリムジンは子宮でありオフィスでありシェルターであり棺桶でもあってすごい。2018/06/04

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