内容説明
他民族の支配を受けたことがないウアオラニー族。彼らはアマゾンで最も勇敢な部族と自負している。その領地内に石油が出た。エクアドル政府の協力を取りつけて油田開発を進める合衆国の石油会社。押し寄せる宣教団、環境保護活動家。勇士たちは槍と吹き矢を頼りに、自分たちの文化と熱帯雨林を守る闘いに立ち上がった。
感想・レビュー
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うたまる
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「で、あなたはどう思われますか?野蛮なのはどちらです?」……南米エクアドルで油田開発に抗うアマゾン原住民たちのルポ。まさか1990年代になっても、欧米がかつての植民地化プロセスを活用していたとは思いもしなかった。宣教師を尖兵とした民衆教化、部族間を反目させる分断統治、脅しを背景にした不平等な契約。どれも歴史の授業で見覚えがある白人の常套手段だ。仮にその悪辣さが表沙汰になったとしても心配することはない。贖罪と保護を名目に麻薬漬け、アルコール漬けにしてしまえばいいのだ。これもインディアンで実証済みだから。2024/02/15