出版社内容情報
楽園の幼年期に「怪物」に出会ってしまった兄妹は……。予感的中、事態は最悪に――だが読まずにおれない禁断のダーク・ミステリ。
のどかな町を、くねくねと貫くエデン・ロード。自転車で快走していた十歳のカイルは車と衝突しそうになる。車は横転、血まみれの若い女が彼に迫る。悪夢のような光景に逃げ出した彼は、だが翌日、愕然とする。現場に何も痕跡がないのだ――。偶然“怪物”を目覚めさせたカイルと妹。人の心を支配する魔の闇に囚われた幼い二人は……。最悪の結末の予感に震える、禁断のダーク・ミステリ。
内容説明
のどかな町を、くねくねと貫くエデン・ロード。自転車で快走していた十歳のカイルは車と衝突しそうになる。車は横転、血まみれの若い女が彼に迫る。悪夢のような光景に逃げ出した彼は、だが翌日、愕然とする。現場には何も痕跡がないのだ―。偶然“怪物”を目覚めさせたカイルと妹。人の心を支配する魔の闇に囚われた幼い二人は…。最悪の結末の予感に震える、禁断のダーク・ミステリ。
著者等紹介
ジャーキンス，グラント［ジャーキンス，グラント］［Ｊｅｒｋｉｎｓ，Ｇｒａｎｔ］
成人発達障害者の権利を支援する仕事を続けながら、稀少本の販売を手がける。『いたって明解な殺人』で作家デビュー。現在は妻と息子と共にアトランタに在住
二宮磬［ニノミヤケイ］
１９４５年静岡県生れ。慶応大学卒（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
カムイ
36
寒い時期に【あの夏、エデン・ロードで】読んでみた。結果薄ら寒い気分になってしまいました、幼い兄妹のおぞましい夏の記憶を綴った物語、怪物は近所に潜んでいるのであった、主人公のカイルの回顧から記憶を呼び戻した、その当時の彼の世界は小さくて何もかも大きく目に映っていた、そして思慮が無く大切な物をなくしていってしまった、時代的にリンクする所多々あり音楽であり映画あったりと懐かしく物語に没頭する事ができイーグルスの（ホテルカリフォルニア）のメロディーを口ずさみながら日差しの強いからっとした夏を思い出す（砂混じり）→2021/02/11
くさてる
16
予備知識無しに手を出したところ、これが本当に厭な話で、私はまったく駄目だった。で、なぜ駄目なのかと考えてみれば、どれだけ取り繕ってみてもこの話が示すのがただの現実だからなんだなという結論に達した。例えばキングはそれはもう嫌な話を書くのだけど、長編の場合は（短篇はそうでもない）、必ずそこに「誰もが納得する救い」を準備する。百％のハッピーエンドでなくても、なにかそういうものがある。この話にはそれがない。創作の都合で厭な話が語られているくせに、これが現実ですよとしたり顔されているような、そんな読後感でした。2022/02/22
はんみみ
13
イヤだイヤだ、と言いつつ読んだ。こんなにイヤな気持ちを楽しんだのは久しぶり。あぁおぞましかった。＊事件の終息はちょっと無理がある＊脳内カメラマンはサム・ライミ、アメリカン･ゴシックの頃の。＊これは夏の強い太陽と濃い影の中でなければもの足りない物語。＊この線を一歩越えたら、そこは大人の世界、って子供の頃感じていた禁忌感を思い出した。2013/12/28
すけきよ
11
充分に発達したイヤミスは、ホラーと見分けが付かない。初めの方こそ、子供ならではの広大な世界、モンスターのような隣人、迷路と化すトウモロコシ畑、と魔法が煌めいているんだけど、そもそもの事件の発端が主人公のため、早い段階で世界は奈落に傾き始める。とはいえ、10歳の少年には、その傾きを止めようもなく、「その時」「そこ」にいたから、すべてが狂ってしまったとしか言いようがないのかなぁ。ワンダーウーマンの使い方としては、近年稀に観る鬼畜っぷりなので、それも踏まえて、嫌な気分になりたい人にオススメ。 2013/01/31
Schunag
8
最後の最後に登場するモノを、守られた矜持、とみることもできる気がする。だから最後の最後に小さい光が灯されているとみることもできる。本当に小さくて周りはあまりに暗いのですけれど。2013/02/10
