内容説明
放置されたランドセルから発見された子供の足の指。拉致監禁されたメアリの身に、刻一刻と危機が迫っていた。何とかして主犯格の女フェリシテの心を読もうとするクローディーンだったが、敵対する人質交渉主任に誘拐犯の共謀者だという嫌疑をかけられてしまう。しかも、捜査チーム内には犯人グループの一人が紛れこんでいた…。圧倒的なサスペンスで描くサイコスリラーの傑作。
著者等紹介
フリーマントル,ブライアン[Freemantle,Brian]
1936年サウサンプトン生れ。17歳でロンドンの新聞界に入り、国際関係の記事を専門とするジャーナリストとして活躍。《ディリー・メイル》紙の外報部長を務めた後、小説家デビュー。『消されかけた男』をはじめとする英国情報部員チャーリー・マフィン、心理分析官クローディーン・カーター、米露捜査官コンビ、ダニーロフ&カウリーを主人公とした、それぞれのシリーズで知られる
幾野宏[イクノヒロシ]
1936年、京都生れ。’55年に上京し、故吉田健一に師事する。キニーリー『シンドラーズ・リスト』、デヴロー『時のかなたの恋人』、ライヴァ『ディートリッヒ』など、訳書多数
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感想・レビュー
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dynamonda
2
上巻から一気に読んでしまいました。クローディーンと誘拐グループとの駆け引きはとても面白かったです。他のシリーズ作品も読んでみたいと思います。2013/09/17
Tetchy
0
クローディーンは自らのプロファイリングに絶大なる自信を持ち、捜査を推し進める。それは自らの正しさを信じることで捜査を確実な方向に導かなければならないというプレッシャーの裏返しでもある。さらにその有能さゆえに自らが抱える孤独に苛まれる。敵に勝つために自信の鎧を身につけ、それゆえに誰もが不可侵である存在感をも身にまとってしまうことの寂しさ。有能な人間ほど自らの幸福に縁遠くなってしまう。現代の女性の抱える問題をクローディーンは具現化しているようだ。でもドラマ『24』を観た者にとっては時代遅れの感は否めない。2010/02/11