内容説明
ボンの政府機関で働くエルケは有能な秘書で、38歳の独身。私生活での話し相手はペットの犬だけ、という孤独な彼女に、ある日ひとりの男が近づいてきた。KGBのセックス・スパイであるオットーは、ジャーナリストと身分を偽っていた。彼の任務はエルケを篭絡し、ドイツのあらゆる機密情報を手に入れることなのだ。オットーは巧みにエルケに近づき、その心を捉えたのだったが…。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tetchy
74
東西独統一という時代の変換期に、自らの恋愛を翻弄されたなんとも哀しい女の物語。政府の最高機密を取り扱う西ドイツの独身キャリアウーマンにソ連(!)のセックススパイが機密事項を接触するうちに恋に落ちるという実にベタなハーレクインロマンス的設定もフリーマントルが描くと現実の厳しさと運命の皮肉さがたっぷり盛り込まれた、なんとも苦さの残る話へと料理される。男は別れを恐れるために嘘をつき、女は別れたくないために真実を知りたがった。これが男と女の違いなのだ。だからこそ悲恋の物語が今なお書かれ、尽きることがないのだろう。2017/05/18
沼田のに
1
チャーリーマフィンシリーズではないけど覚えてた本。長いけどやっぱ面白いわ。2021/02/13
RIN
0
★★★★