内容説明
ジェイソンは事故処理に現れた男と野球談議で親密になる。彼が元陸軍特殊部隊員と知って社の保安部に就職できるよう便宜をはかってやると、ジェイソンの仕事は不思議なぐらい絶好調に。大口の商談を次々と契約にこぎつけ、昇進まで勝ち取る。一方、社内のライバルはなぜか不運続き。そんな折、同僚の二人が車の事故で死亡した―。ジェイソンのこれまでの幸運は単なる偶然なのか?2007年ITW最優秀長編小説賞受賞。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
智哉
6
どんな商談や障害も意のままに操るカートの恐ろしいこと。ジェイソンは真綿で首を絞められるように追いつめられて行った。担がれていると気づいていながら、火消しに走るのが遅すぎる。ホラー小説の様相になってからは、読み進めるのが辛かった。2023/09/16
Grand Guignol
3
面白かった。日本の描写やキーワードが出てくるからという理由もあるが、毎度のことながら安定の出来。プロローグと序盤を読んだ時点で主人公が相対する『敵』の存在には気づいてしまう…それくらいストーリーは単調。けども退屈することなく、特に後半はアクセル全開で崩壊するキャラの立ちっぷりにグイグイ引き込まれた。一歩間違えば完全に主人公も道を踏み外していたと思うのだが、この小説一番の立役者は奥さんだと思う。ほんとに清らかで素敵。あまりの意訳っぷりに「?」と感じる箇所もあるでしょうが、個人的には結構ツボでした。2011/11/02
himehikage
2
妻がいいね。2009/10/07
NNN
1
終盤一気に面白くなる。プロローグから想像したストーリーは見事に裏切ってくれたし。2012/08/02
ivnin
1
主人公が軍人譲りの社会工学で抗戦を試みる辺りからはドキドキワクワクしてよい。全体的には良質のエンターテイメントだったな、と思う。感動するものではないが、とにかくページをめくってしまった。2010/06/12