新潮文庫<br> 誘拐

新潮文庫
誘拐

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  • サイズ 文庫判/ページ数 260p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784102163016
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

hit4papa

53
主人公の名前が作中に登場しないという「名無しのオプ=探偵」シリーズ 第1弾。5千冊のパルプ・マガジンを収集する元警察官 名無しの探偵。肺癌に脅えながらもタバコを止めることができない47歳。事件で負傷をし、付き合っている女性からは三行半を叩きつけられます。作品をとおして滲み出る中年男の悲哀。人間味あふれるというより、リアルであるがゆえに地味な探偵の物語です。事件の顛末はおおよそ予想がつきますが、ハードボイルドな探偵の活躍を堪能できるでしょう。少ない頁数のわりに話が凝縮しているので読後の満足感は高いですね。2012/02/13

bapaksejahtera

7
名無しの探偵シリーズの第一作とあって翻訳者の高見氏による適切な解説が巻末にある。登場人物が少なく本の扉に次いで普通は登場人物紹介があるものだが、本作には無い。登場人物が少なく無駄なヒントを与えたくないためであろう。西洋人の名前ではイメージが作りにくい私でも本作は必要ない。解説にもある通り典型的な登場人物たちとあまり捻くらない展開であり、パルプ・マガジン収集を趣味とする主人公の独白と恋愛模様が散りばめられるだけである。単純な構成で犯人と犯行に伴うあれこれが最終的に判明する。短いながら良い作品と思う。2020/02/09

ケイスケ

2
名無しのオプの設定の面白さだけ。今後に期待。2020/12/12

青沼ガラシャ

1
手堅くまとまったハードボイルド。人間関係やプロットは入り組んでおらず、誘拐の真相もなんとなく想像がついてしまった。ただ、文章がメチャクチャ上手いので楽しく読めた。主人公がパルプフィクションオタクという設定に、後年のネジの外れた問題作群の片鱗を感じた。2021/02/21

柿木二十郎

1
ハードボイルドと呼ぶには弱い主人公だが、名無しの探偵は成長する。古いハードボイルド小説の主人公は、人として成熟していて、キャラクターとしての完成度が高く、安定感があったが、それに対して、ネオ・ハードボイルド派の主人公は、打たれ弱くて未熟。だが伸びしろがある。そこがたまらなく愛しい。

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