内容説明
本物のレンブラントには右下隅に“RvR”と署名があるんです―。ロンドン警視庁の新米捜査員ウィリアム・ウォーウィックは大学で学んだ美学を武器に、警察が押収した絵画を即座に贋物と見破り、捜査班のメンバーとなる。追うのは稀代の大物名画窃盗犯。二転三転の攻防の末、ついに決着は法定にもつれこむ!一筋縄では終わらない結末に、名ストーリーテラーの技が冴える美術ミステリー。
著者等紹介
アーチャー,ジェフリー[アーチャー,ジェフリー] [Archer,Jeffrey]
1940年英国生れ。’66年に大ロンドン市議会議員として政界デビュー、’69年には最年少国会議員として下院入りを果した。一代貴族(ロード)。自らの体験をもとにした『百万ドルをとり返せ!』などの著書はすべてベストセラー
戸田裕之[トダヒロユキ]
1954年島根県生れ。早稲田大学卒業後、編集者を経て翻訳家に(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
275
ジェフリー・アーチャーは、新作をコンスタントに読んでいる作家です。ノンシリーズかと思いきや、『クリフトン年代記』の作中作の主人公、新シリーズの幕開けでした。著者が冒頭でシリーズの概略をネタバレしているので、少し興醒めですが、第一弾は一気読みしました。イギリスでは第二弾が昨秋出版されているようなので、日本では今年の末位に読めるでしょうか? https://www.shinchosha.co.jp/book/216150/2021/01/06
エピファネイア
115
この小説が書かれたのが2019年。その時、ジェフリー・アーチャー79歳。新シリーズ開幕である。刑事の道を歩みだした主人公ウォーウィックが警視総監に昇り詰めるまでの大河小説となるようだ。アーチャーさんも訳者の戸田裕之さんもお元気で、我々にウォーウィックが警視総監になるところを見せてほしいものだ。この巻ではウォーウィックはロンドン警視庁の美術骨董捜査班に配属されている。いかにも歴史ある英国らしい部署だこと。複数の事件が起こるが、終盤の2つの裁判が並行して進むあたりからは一気読み。第二弾も発売済みなので楽しみ。2022/04/12
seacalf
111
新作が面白そうだったので、まずは前作から。久しぶりのジェフリー・アーチャーだけど、80歳を越えてもなお自他共に認めるストーリー・テラーっぷりは健在で往年のファンとしては嬉しいところ。ウィットに富んだセリフの数々にテンポの良い話の展開、終盤には見逃せない法廷ドラマを同時に2つも盛り込んで、最後は大団円とプラスアルファ。相変わらず見事な手腕で読む手をとめられない。主人公ウォーウィックをはじめ、登場人物がクリーン過ぎるきらいがあるが読者を楽しませるプロのアーチャーに身を委ねるのは極上の時間だ。続きも早く読もう。2022/01/16
のぶ
109
邦題から往年の名作「百万ドルをとり返せ!」を連想したが、内容は全く違っていて法廷物の要素が強かった。主人公のウオーウィックはロンドン警視庁巡査。ロンドン警視庁で美術骨董捜査班を率いる警視長のホークスビーに引き抜かれ、美術骨董操作班の仕事につくことになる。そこで、大物名画窃盗犯を追い、レンブラントの名画を取り戻すために活躍することになる。そこで大物名画窃盗犯を追い、活躍することになる。真犯人特定から、裁判まで目が離せない物語だった。80歳という年齢を感じさせない若々しい文章に感心した。2021/01/15
stobe1904
98
【ジェフリー・アーチャー新シリーズ】弁護士一家の裕福な家庭で育ったウィリアムは家業の弁護士ではなく、一介の巡査として所轄の警察署に着任するが、美術史専攻を買われて、スコットランドヤードの美術骨董捜査班で捜査に奔走するウィリアム。レンブラントの窃盗事件、恋人ベスの父親の冤罪事件捜査、それらの裁判シーンなど盛り沢山な構成でジェフリー・アーチャーのストーリーテラーぶりが冴え渡っている。海外ドラマを思わせるような今後の展開やウィリアムの成長がとても楽しみ。次作も必読。★★★★☆2021/01/31