出版社内容情報
1906年、ポーランドの片田舎で私生児として生れたヴワデクは、極貧の猟師に引きとられた。時を同じくしてボストンの名門ケイン家に生れたウィリアムは、祝福された人生を歩み始めた。ドイツの侵攻で祖国も肉親も失ったヴワデクは、数奇な放浪の旅の果て、無一文の移民としてアメリカに辿りつき、アベルと改名した。「三作目が勝負」と明言した著者が、満を持して発表する大作。
内容説明
1906年、ポーランドの片田舎で私生児として生れたヴワデクは、極貧の猟師に引きとられた。時を同じくしてボストンの名門ケイン家に生れたウィリアムは、祝福された人生を歩み始めた。ドイツの侵攻で祖国も肉親も失ったヴワデクは、数奇な放浪の旅の果て、無一文の移民としてアメリカに辿りつき、アベルと改名した。「三作目が勝負」と明言した著者が、満を持して発表する大作。
著者等紹介
アーチャー,ジェフリー[アーチャー,ジェフリー][Archer,Jeffrey]
1940年英国生れ。’66年に大ロンドン市議会議員として政界デビュー、’69年には最年少議員として下院入りを果した。一代貴族(ロード)
永井淳[ナガイジュン]
1935年秋田生れ。埼玉大学卒業後、編集者を経て翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
423
タイトル通りにケインとアベルの物語が交互に語られる。ジェフリー・ア-チャーの長編を読むのは初めてだが、この作家はこうした手法を得意としているらしい。父親を早くに亡くした以外はあらゆる点で恵まれた、典型的な東部エスタブリッシュのケイン。方や何度もの生命の危機を経て、アメリカに渡ってきたポーランド移民のアベル。二人が交錯するのは250ページを過ぎてからようやくのこと。展開はきわめてスリリングで主人公の2人もそれぞれに魅力的。下巻でアベルがどこまでのし上がるのか、大いに期待しつつ。2022/12/19
ehirano1
132
若かりし頃は大変お世話になったJ・アーチャー作品。彼是10年くらいは彼の作品には触れておらず、今回久しぶりのお手合わせ。よくある設定かと思いきや、まあ読ませる読ませるどんどん読ませるで、この感触がたまりません。いつの間にか下巻を読み始めていますwww。2024/12/14
のっち♬
97
20世紀初頭、ポーランドで私生児として生まれたヴワデグとアメリカで上流階層の御曹司として生まれたウィリアムの人生を交錯させながら話は進む。タイタニック事故で父親を亡くたりと家庭に不幸が襲うウィリアムも波瀾万丈だが、第一次大戦とポーランド・ソ連戦争により身内を失い強制収容所に送られるヴワデグの少年時代が特に壮絶で、貧困や暴力など序盤から重苦しい雰囲気が漂っている。まさにどん底の状態から這い上がっていく二人の男たちに寄り添う『サーガ』作品。スケール感のある緻密な構成とテンポの良い語りで勝負に出た著者の三作目。2019/03/25
Willie the Wildcat
92
主人公たちの生い立ちを丁寧に描き、プラザでの”初対面”の場面を迎える。そして「いよいよこれから始まる!」という、今後の展開に期待も高まる。表層的には大恐慌が対峙のトリガーだが、深層的には主人公たちの対極的な生い立ちによる差異が影響している感。アメリカで昨今顕著な”分断”にも起因している気が、どうにもしてしまう。一方、両者の共通項は、たゆまぬ努力であり、常に自身への誇りと希望を持つ姿勢。度重なる逆境を如何に乗り越えて運命を切り拓くのか、そして2つの運命が交錯していくのか。下巻が楽しみ。2020/12/27
ケイ
81
ポーランドでの出来事は先が気になって読み進んだけれど、アメリカで平行して進む話は、ちょっと荒唐無稽に過ぎないかなあ。登場人物の行動にがっかりすることが多く、のめりこめず、読むのに時間がかかった。とにかく、下巻を読んでしまおう。2014/12/06