内容説明
女とは何か。女と男とはどう違うのか。なぜ歴史の初めから男女という性別に序列がつけられ、女は男より劣った性“第二の性”とされているのか。男たちは法と慣習を通じて、歴史的にどう女の地位を決定したのか―女性を文化人類学、心理学、哲学、神話学、文学といった様々な角度から分析し、女性の置かれている立場を明快に解説した女性論の古典を、現代の感覚で新訳する。
目次
第1部 運命(生物学的条件;精神分析の見解;史的唯物論の見解)
第2部 歴史
第3部 神話(モンテルランまたは嫌悪の糧;D.H.ロレンスまたは男根の誇り;クローデルと主の婢女;ブルトンまたは詩;スタンダールまたは真実のロマネスク)
著者等紹介
ボーヴォワール[De Beauvoir,Simone]
フランスの作家、思想家。パリの上流家庭に生れ、ソルボンヌ大学で哲学を学ぶ。女子高等中学校で教鞭をとった後、1943年、小説『招かれた女』の成功で作家生活に入る。’49年、実存主義の観点に立つ画期的な女性論『第二の性』を著し、世界的反響を呼ぶ。終生のパートナー、サルトルとともに、反戦・人権擁護の運動で精力的な言論活動を展開した。’70年以降、フランスの女性解放運動に積極的に参画、大きく貢献した。主な著作に、『他人の血』『レ・マンダラン』『老い』、自伝4部作(『娘時代』~『決算のとき』)等がある
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感想・レビュー
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壱萬参仟縁
45
高校生にはあまり勧められない。大学生の心理学部とかならええかな。でも、一度はジェンダーレス、男尊女卑のことを考えるには必要な本。現代社会で回覧するかは、迷ってる。寝た子を起こすな、と言われても仕方ない内容なので。放送禁止用語というか。。2022/06/18
イボンヌ
11
圧倒されました。「女とはつくられた他者」ということを、歴史や文学など膨大な引用から論証されます。たぶん2017/09/17
まりお
9
「母性という神話」より参考。女性の歴史、神話について。歴史では紀元前から始まり、女性の扱い、立ち位置が書かれる。男にとって女は「他者」、自分とは違う者。だから女は神秘的であり、超越している者である。何だかよく分からない扱いだと感じた。女に対して、こうであれ、あって欲しいと思うものを色々と押し付けすぎではないか。2016/11/28
魔魔男爵
8
ホモと東洋文化をネグってるのは欠点だが、ベーベルとエンゲルスの間違いも指摘してるし、女がどう描かれてきたか解析する文学評論として傑作。フェミニズムの視点からはスタンダールが女を神秘化神話化せずに、行動する人間として描いているので傑作だそうです。女は天使か魔女かという考察は、男視点で、女を客体として、男を考察する為の鏡としてしか考えていないので、駄目。女とは何かではなくて、我々は素晴らしい何かに成る為にどうするべきかと考えるべきざんす。旦那、じゃなかった、パートナーのサルトルの実存主義哲学(ハイデッガーも含2017/08/20
鴨長石
6
フェミニズムについて圧倒的に弱いので勉強として読む。そしてやはり自分は女性というものにについて考えてこなかった男性であることが露呈した。本書は第一部が女であるとはどういう運命を背負うことなのか、第二部が女が辿ってきた歴史、第三部がフィクションにおける女の扱われ方となっている。しかし、現時点の自分は、その間々に述べられる男についての記述が断然面白いと思ってしまうのである。とりあえず本書の続刊を皮切りに、地道に女について学んでいくしかない。2020/12/04
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