新潮文庫<br> 幸福な死 (改版)

個数:

新潮文庫
幸福な死 (改版)

  • ウェブストアに2冊在庫がございます。(2024年04月24日 10時53分現在)
    通常、ご注文翌日~2日後に出荷されます。
  • 出荷予定日とご注意事項
    ※上記を必ずご確認ください

    【ご注意事項】 ※必ずお読みください
    ◆在庫数は刻々と変動しており、ご注文手続き中に減ることもございます。
    ◆在庫数以上の数量をご注文の場合には、超過した分はお取り寄せとなり日数がかかります。入手できないこともございます。
    ◆事情により出荷が遅れる場合がございます。
    ◆お届け日のご指定は承っておりません。
    ◆「帯」はお付けできない場合がございます。
    ◆画像の表紙や帯等は実物とは異なる場合があります。
    ◆特に表記のない限り特典はありません。
    ◆別冊解答などの付属品はお付けできない場合がございます。
  • ●店舗受取サービス(送料無料)もご利用いただけます。
    ご注文ステップ「お届け先情報設定」にてお受け取り店をご指定ください。尚、受取店舗限定の特典はお付けできません。詳細はこちら
  • サイズ 文庫判/ページ数 295p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784102114087
  • NDC分類 953
  • Cコード C0197

出版社内容情報

平凡な青年メルソーは、富裕な身体障害者の“時間は金で購われる”という主張に従い、彼を殺し金を奪う。『異邦人』誕生の秘密を解く作品。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

のっち♬

135
既に「反抗」が起点となり、根強い衝動や事実判断に意識的姿勢をとる思想の土台は固まりつつある。幼少期を貧困の中で過ごした著者にとって"幸福にはお金と時間が必要"という実感は強固なものだったろう。実現のためには如何なる手段行使も厭わないと思えるくらいに。棄却作品だけに場面毎の色調・縫合の散漫さや女性配役の不器用さなど試行錯誤の痕跡が生々しい。修辞技法も肩の力が入った印象で若々しい生の煌めきがある。『異邦人』とは見かけは対照的な死、しかし、季節の律動や大地との一体化の中に「幸福」の本質が併読でより鮮やかに映る。2022/12/14

優希

97
「死」という人生の幕引きをどう捉えるかということについてひたすら考えていたことが伺えます。幸福のために人を殺し、ハーレムの中にいても自ら愛する人を見つけられず死を迎えるメルソーのあり方に悲壮感はなく、ドライにすら感じられるのは、カミュ文学の持つ不条理の精神にあるように感じました。死すら幸福にあるという考えに息が詰まるのは、考えに行き着くまでの過程を無意識に見るからだと思います。とはいえ、生きることを否定していないのに閉塞的な空気が漂っていました。静かに迎える死という最後が幸福を物語っているのでしょう。2016/07/02

たーぼー

65
『異邦人』へのインスピレーションと因果が交わる面白い読み物である。それぞれの章のイメージという点においては、連なりのない部分も見受けられるが、カミュの思索と抒情的なアクセントが明徹に凝縮されており、これらが深い恍惚感を携えてストレートに迫ってくる。人生を愛しすぎたがゆえに、死はときに宿命的で優しい行為でもある、という主張になんの矛盾と不思議があろうか。かえってそれは人の才智を貫いて交錯する幸福の戯れと明朗な達観を美しく生成させるものにほかならない。虚ろな太陽の輝きの中で溶けてゆく彼岸の讃歌に酔いしれた。2017/05/20

Willie the Wildcat

56
”幸福”方程式の変数。お金と時間と心のバランスなのか・・・。お金と時間では、必ずしも満たされない心。孤独感。故郷の自然に身を投げ出し、体感する心の響き。登場人物1人1人からの気づき、そしてリュシエンヌの唇に太陽を見出す最期。愛し、愛されることで曝け出す自身。意志ではなく意思、あるいは意志から意思への変遷なのかもしれない。然るにザグルーの最期も、(誤解を恐れず言えば)手段ではなく必要不可欠な過程の一端。但し、日々の苦悩の齎す人生の深みへの近道はないという事実の裏返し。そういう意味では確かに”資料”。2015/11/24

絹恵

49
永遠と書いて毎日と読ませるような重さのない時間の連続のなかで、二項対立のどちらかをただ選択するそれを幸福とは呼ばないのなら、やはり幸福は意志の上でのみ感じられるのだと思います。メルソーはムルソーの兄であるからこそ、彼もまた海に辿り着き、太陽に囚われていました。そして兄の運命をなぞることで人生を成立させたムルソーは、意志の上で幸福を完成させることが出来ていたのだろうかと考えました。2015/09/11

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/538785
  • ご注意事項

    ご注意
    リンク先のウェブサイトは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」のページで、紀伊國屋書店のウェブサイトではなく、紀伊國屋書店の管理下にはないものです。
    この告知で掲載しているウェブサイトのアドレスについては、当ページ作成時点のものです。ウェブサイトのアドレスについては廃止や変更されることがあります。
    最新のアドレスについては、お客様ご自身でご確認ください。
    リンク先のウェブサイトについては、「株式会社ブックウォーカー」にご確認ください。