新潮文庫
誰がために鐘は鳴る〈上〉 (改版)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 470p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784102100066
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

出版社内容情報

あの橋を爆破せよ。スペイン内戦下のゲリラ戦。3日間の真実を、息もつかせぬ緊張感で描く。

全ヨーロッパをおおわんとするファシズムの暗雲に対し、一点の希望を投げかけたスペイン内戦。1936年に始まったこの戦争を舞台に、限られた生命の中で激しく燃えあがるアメリカ青年とスペイン娘との恋を、ダイナミックな文体で描く代表作。義勇兵として人民政府軍に参加したロバートは、鉄橋爆破の密命を受けてゲリラ隊に合流し、そこで両親をファシストに殺されたマリアと出会う。

内容説明

全ヨーロッパをおおわんとするファシズムの暗雲に対し、一点の希望を投げかけたスペイン内戦。1936年に始まったこの戦争を舞台に、限られた生命の中で激しく燃えあがるアメリカ青年とスペイン娘との恋を、ダイナミックな文体で描く代表作。義勇兵として人民政府軍に参加したロバートは、鉄橋爆破の密命を受けてゲリラ隊に合流し、そこで両親をファシストに殺されたマリアと出会う。

著者等紹介

ヘミングウェイ,アーネスト[ヘミングウェイ,アーネスト][Hemingway,Ernest]
1899‐1961。シカゴ近郊生れ。1918年第1次大戦に赤十字要員として従軍、負傷する。’21年より’28年までパリに住み、『われらの時代』『日はまた昇る』『男だけの世界』などを刊行。その後『武器よさらば』、短編「キリマンジャロの雪」などを発表。スペイン内戦、第2次大戦にも従軍記者として参加。’52年『老人と海』を発表、ピューリッツア賞を受賞。’54年、ノーベル文学賞を受賞。’61年、猟銃で自裁

大久保康雄[オオクボヤスオ]
1905‐1987。茨城県生れ。’36年の『風と共に去りぬ』を始め、現代アメリカ文学を中心に多数の話題作の翻訳を手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

337
G・オーウェルの『カタロニア讃歌』がすぐさま想起され一気に内戦下スペインの小説世界へ。ヘミングウェイ自身も国際旅団(人民戦線側)に加わって、この内戦に参加した。小説は、橋梁爆破の命を受けたアメリカ人ロバートと、カスティーリアの山中に潜む共和国側のゲリラたちの行動を描いてゆく。戦争の大局をではなく、ほんの小さな局地を描く手法は、様々な意味で強固なリアリティを持つ。ピラールが語るアビラ近郊の町でのファシスト殺戮の場面、あるいはアンセルモ老人が雪の山中で凍えながら任務を全うする場面などは心が締め付けられる描写。2016/11/27

ケイ

163
中学一年の夏、本を読んで感動するとはこういうことかと初めて体感した作品。アメリカ人がなぜスペインで戦うのか、共和国とは何か、ファシストやドイツなどがなぜいるのか、当時は何も分からないまま必死で物語についていった。分からなくとも、それぞれの性格や使命に望む態度、成就しえない男女の関係は、圧倒的に訴えかけてきた。今、対フランコ将軍=ファシズムへの戦いに参画したヘミングウェイやマルローなどの欧米の文化人、キャパの撮った写真から様々な事を承知した上でも、物語の本質はそこにはないのだと思える。感想は下巻で。 2018/01/08

榊原 香織

74
スペイン内戦の。 主人公二人はお互いひとめぼれなんですね。 民衆が決起してファシストたちをリンチにかける描写がずいぶん続く。 翻訳の方言表示が気になるなあ、と思ってるけど、この場合は生々しさが薄らぐ。上下の上巻2021/10/29

NAO

68
学生時代に読んで以来の再読。スペイン内戦で、義勇兵として人民政府軍に参加したアメリカ人ロバート・ジョーダン。ゲリラ軍と合流して早々、何とも先行きに不安を感じさせる展開となっていくが、この話においては、作戦が成功するかどうかではなく、最悪の状態にあるとき、人はどういった行動をとり何を考えるかということに主眼が置かれているのだろう。アンセルモが語る殺戮の場面はあまりにも凄惨だが、そういった体験を経た上での彼の実直な態度には胸が打たれる。非日常の中での刹那的な恋も、熱く燃え上がれば燃え上がるだけいっそう痛ましい2017/03/17

びす男

43
過酷な戦場で「生」がひときわ輝いている。「七十時間に、七十年に劣らぬほど豊富な人生を生きることは不可能ではない」■著者の従軍経験から生まれた小説だろう。恋愛と戦争。人を翻弄する2大テーマを大胆に衝突させ、淡々と綴る■ほかの恋愛小説とは違う。最短で成就する。むしろ2人を取り巻く死と裏切りの予感が、読者を焦らし、引き込んでゆく■遠景と近景がめまぐるしく変わる。ヒロインを愛したかと思えば、とたんに作戦履行を憂いはじめる主人公。「女は一日中愛していられるが、男はときどきしか愛せない」というモームの言葉を思い出す。2021/07/05

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