感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まふ
107
アメリカの代表的ユダヤ人作家のひとりバーナード・マラマッドの代表作の一つ。ニューヨークの裏町で食料品店を営むユダヤ人のモリス・ボーバーが強盗に襲われる。その犯人の一人のイタリア人フランクが贖罪のために店員として働き、美人の娘ヘレンと紆余曲折の交際の後に決意して割礼手術を受け「ユダヤ人」になる、という結末。ニューヨークは人種のるつぼ=宗教のるつぼであり、ユダヤ人をめぐる話は多いだろうが、「カトリックからユダヤに改宗する」というストーリーには初めて遭遇した。全体としてはモタモタした物語と思った。G1000。 2023/08/01
MATHILDA&LEON
19
【英ガーディアン紙が選ぶ必読小説75/1000】アメリカで小さな食料品店を営むユダヤ人モリス一家と、そこに現れたイタリア人フランクの物語。異物を排除しようと躍起になる妻や、興味と不信に苛まれながらも近付いてしまう娘の心情が何だか分かる気がするし、フランクの思考も実に人間くさいところが好感を持てる。物語の終盤、そしてラストは、切ない気持ちでいっぱいになるが、フランクが変わりゆく姿に学ぶところがあった。これは良本。2024/01/04
月
7
久しぶりのマラマッド作品。読み進めるうちにこの物語(小説)は一体何処へ最終的に向かうのか、不安な気持ちで終始読みすすめた。善と悪、反省と後悔、罪の償い、新たな罪、自分自身との闘い、忍耐・・一人の青年の精神的葛藤。アシスタント(作品名)の意味を考えさせられ、恐らく本当の意味でのアシスタントが最終章にて読み取れる作品ではないだろうか。前後半で現れるアッシジの聖フランチェスコ(小鳥に語り掛けた(説法した)聖人)が上手く表現されている。2020/10/29
うろたんし
4
安部公房に導かれて。勤勉に生きたい。2019/02/17
イカ男
4
タイトルのアシスタントとは「店員」のこと。ニューヨークの貧しい地区にある貧しく小さな食料品店の店員の物語。ユダヤ人の店主家族とイタリア人(キリスト教)の店員との間に繰り広げられる物語。ハッピーエンドを予感させる結末に心が和む読書感を味わいました。2012/06/12