新潮文庫<br> ママ・アイラブユー

新潮文庫
ママ・アイラブユー

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  • サイズ 文庫判/ページ数 341p/高さ 16X11cm
  • 商品コード 9784102031025
  • NDC分類 933

内容説明

あたしの名前はキラキラヒメ。ニューヨーク・ジャイアンツのエースを目指す9歳の女の子。パパと別れてブロードウェイのスター女優を夢見るママ・ガールに連れられて、ある夜突然、カリフォルニアからニューヨークへやってきたの。気まぐれなママ・ガールは、興奮したり悩んだりで大忙しだけど、あたしはそんなママ・ガールが大好き。この街で一緒に、夢を追いかけてゆくの…。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

NAO

76
【月イチテーマ⠀家族・会社・組織】作者が誰かを知らないままにこの本を読んだら、作者は女性だと誰もが思うだろう。サローヤンは、何の違和感もなく女性になりきっている。しかも、ちょっとおしゃまで考えがころころ変わるピチピチの女の子だ。サローヤンの繊細さ細やかさが、女の子の姿となってきらきら光っている。だが、彼女に心惹かれるのは、彼女のような子どもが現代においては極めて稀だということを知っているからなのだろう。2021/01/20

風眠

44
(再読)小学5年生から私はバリバリのolive少女だった。oliveの書評欄でこの小説を知り、読んだのは中1の時だったと思う。olive少女ならば完全に好きな雰囲気。9歳のキラキラヒメと、スター女優を夢見るママ・ガールのニューヨークでの暮らし。このお洒落っぽさに当時の私はノックアウトされた。そして大人になった今、これはただお洒落なだけの物語ではないと気づく。大人になりきれないママ・ガール、そんな母親をよしよし、ってする「小さな母親」キラキラヒメ。可愛らしい会話の中に見え隠れする、少女の過酷な現実が切ない。2016/01/07

ぱせり

14
軽快な音楽が聞こえる。軽快に踏むステップのリズムが聞こえる。大人と子どもの胸の内で、きらめいている妖精じみた少女がくるくると踊っている。それは楽し気に。だけど、楽し気なのは、楽しいこととは違う。少女は訊く。「人生ってなあに?」 物語にさっくりと混ざった少しビターな味わいが、余韻となる。 2017/03/29

きりぱい

14
家族からキラキラヒメと呼ばれる9歳の少女目線の物語。女優を夢見る母と突発的にニューヨークへやってきて、思わぬ出番が訪れる。型破りでキュートなママだけど、すぐ怒ったり落ち込んだり、その度正直な質問にうんざりさせられたり、逆に、大人って何でこんな悩みにエネルギーを使い果たしているんだろうって、自分を取り戻せたりする時もある。子供みたいなところも大人の事情もフェアに見せるママ・ガールと、妙に大人びたところを見せる娘、二人の会話が楽しくて、それに誘われるように周囲の人々も悶着を起こしながら温かい。2012/06/25

ゆぽんぬ

4
ママとキラキラヒメの会話が可愛いし、子供ならではの目線にハッとさせられる。年齢は関係なく自然体な少女は魅力的だ。 作者は大人なのに、どうしてこんなに純粋に丁寧にリアルに子供の気持ちを描写できるのだろう……。 サローヤンが娘のために書いた作品とのことで、なんともキラキラな夢や愛に溢れている。特にラストシーンは、娘に好きなように生きてほしいというような父の愛を感じた。きっとなんにでもなれる、将来の希望のようなものを感じた。素敵なお話。2020/11/02

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