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新潮文庫
大いなる遺産〈上〉 (改版)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 517p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784102030011
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

貧しい鍛冶屋のジョーに養われて育った少年ピップは、クリスマス・イヴの晩、寂しい墓地で脱獄囚の男と出会う。脅されて足枷を切るヤスリと食物を家から盗んで与えるピップ。その恐ろしい記憶は彼の脳裏からいつまでも消えなかった。ある日彼は、謎の人物から莫大な遺産を相続することになりロンドンへ赴く。優しかったジョーの記憶も、いつか過去のものとなっていくが…。

著者等紹介

ディケンズ[ディケンズ] [Dickens,Charles]
Charles J.H.Dickens。1812‐1870。英国ポーツマス郊外の下級官吏の家に生れる。家が貧しかったため十歳から働きに出されるが、独学で勉強を続け新聞記者となる。二十四歳のときに短編集『ボズのスケッチ集』で作家としてスタートし、『オリバー・ツイスト』(1837‐39)でその文名を高める。数々の名作を生んだ国民的作家

山西英一[ヤマニシエイイチ]
1899‐1984。静岡県生れ。広島高等師範英文科卒。’31~’35年イギリス留学。戦後メイラーをいちはやく翻訳、トロツキーの紹介にも努めた。ディケンズ、レマルクなど幅広い翻訳がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

284
19世紀初頭あたり。テームズ川の下流の沼沢地。向こうには囚人たちを収監する施設もあり、いわば最果てのようなところだ。両親を早くに失い姉夫婦に養育されるピップ。普通なら、このまま彼は義兄のジョーの徒弟となって、やがてはこの地で細々と鍛冶屋として生きていくのだろう。そんな彼に「大いなる遺産」が舞い込もうとするが、それは何故ピップになのかは、まだ全く分からない。その上に憧れの美しいエステラまでも。小説の構想もつかめない。あまりにも夢物語だからである。ここまでは大いなる伏線といったところ。下巻では急展開するのか。2015/06/10

やきいも

108
1860年頃に書かれた小説。主人公ピップは偶然出会った脱獄囚が生きのびるための手伝いをさせられる。そんな恐ろしい思い出をもつピップが、謎の人物から途方もない金額の遺産を相続する事になるが...。今から100年以上前に書かれた小説だからか、ストーリーがなかなか進展しない。(下巻にすすむとがぜん面白くなってくるんだけど)それもあって正直なところ、上巻はやや退屈ではあった。(下巻の感想に続く)2017/03/17

びす男

79
「およそ家庭を恥ずるということは、この上もなくみじめなことである」。両親を亡くし、姉と鍛冶屋の義兄に育てられた少年ピップは、ある日突然「大いなる遺産」を相続する者に指名される。はじめて「紳士」の世界に足を踏み入れた彼は、それまでの「粗野」な生活への軽蔑を隠せなくなっていく…。シンデレラストーリーのようにも見えながら、急激な環境の変化が少年の繊細な心にかすかな歪みをもたらしていることが観察される。このままでいいはずがないと思うが、後編でどんな展開が待っているのかが楽しみ。下巻を読んで書評書きます。2015/03/14

NAO

62
心優しい鍛冶屋のジョーに育てられたピップは、鍛冶屋として貧しいながらも幸せに暮らすはずだったが、突然謎の人物から膨大な遺産を相続することになり、大きく運命が変わっていく。テームズ川下流の沼沢地、座礁した囚人船、墓地で出会った脱獄囚と、陰気で怪しげな冒頭の雰囲気がこの話に濃い影を落とし、この話の先行きに対する大きな不安感を煽っている。過去に曰くありげなミス・ハビシャムと高慢な美女エステラは、これでもかというほどピップを翻弄する。お気楽なピップと読んでいる者が感じる不安のギャップがたまらない上巻から、下巻へ。2016/02/02

南雲吾朗

45
イーユン・リーの小説に何度も登場したり、探偵ポアロが映画の中で読んでいたり(こちらの方は定かではないが…)と、いろんなところに登場する小説の為、以前から気になっていた本であった。長編の為、途中で挫折するかもっと思って読み始めたら毎日少しづつページが進んでやっと上巻終了。訳が古いせいもあり日本語としては少しスムースな感じは受けにくかったが、意外と面白い物語である。ピップの気持ちもわかるが、個人的にはビディの考え方が好きである。「誇りって、ひといろだけじゃないのよ…」この言葉が好きだ。下巻もゆっくりと読もう。2018/06/19

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