新潮文庫
コールドマウンテン〈上〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 354p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784102029114
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

南北戦争の末期、負傷した南軍兵士インマンは、収容された病院から脱走―恋人エイダが待つ故郷へ向けて、500キロの徒歩の旅が始まった。多くの危険と困難に遭遇し、誘惑や裏切りの試練にさらされながら、彼が遭遇する様々な出来事、そして人人。時には翻弄され、またある時は救われるインマンの過酷な運命…。壮大なアメリカの原風景を丹念に描いた叙事詩、至高のラブストーリー。

著者等紹介

フレイジャー,チャールズ[フレイジャー,チャールズ][Frazier,Charles]
1950年、アメリカ・ノースカロライナ州の山間部に生まれる。40歳になる前に着手したデビュー作となる長編小説『コールドマウンテン』は完成まで7年かけた。発表と同時にアメリカで大ベストセラーとなり、1997年度の全米図書賞を受賞し、話題をさらった。現在は妻と娘とノースカロライナ州のローリーに在住し、馬を育てている

土屋政雄[ツチヤマサオ]
1944年生れ。翻訳家
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

313
時は市民戦争(日本では南北戦争と称されているが)のさなか。物語の舞台となるのは、ブルーリッジ山脈中のコールドマウンテンの麓の開拓地。もっとも、上巻では図らずもそこに暮らすことになったヒロインのエイダと、瀕死の重傷からからくも生還し、故郷を目指すインマンとは回想の中でしか交点を結ばないが。市民戦争は南北両軍にそれぞれの大義は一応はあったのだろうが、前線の兵士たちにまでは及ばない。ここにあるのは『風と共に去りぬ』とは、また違ったもう一つの南部の姿であり、この作品では地を這うような表現によって描出されてゆく。2017/11/26

ケイ

109
南北戦争時代の若者たち。テロが起こるまでアメリカは戦場になっていないと思ったら、南北戦争はまさに本土を分けた戦いだったのだと今更しみじみ思う。男は勇んで戦地に向かった。女は土地に残る。都会育ちだったエイダの前にあらわれたルビー。彼女はこれで大丈夫だと思える。しかし、インマンは…。死の淵からいつの間にか戻ってきた彼が思うセミノールインディアン。彼らが南軍のために戦った事実、それは作者がどうしても言いたかったことではないかと思う。2016/08/11

Yoko

14
南北戦争を題材にした作品を読むのははじめて。一路故郷を目指す男とそこで待つ女。まだ2人の間にある物語は全てが語られず、主人公たちも生き抜くための試練に耐える中で読み手もじっと耐える。しかしそれ以上に心に迫るのは描かれるアメリカの壮大無比な原風景、そして主人公が日常の経験を通して「生きる」ということを体得していく様である。2015/09/13

Ribes triste

13
南北戦争の悲惨さに脱走し故郷へと過酷で危険な旅をするインマン。深窓の令嬢の生活から一変し、少女ルビーの知恵と力を借りて農場経営を始めるエイダ。過酷で美しいアメリカの大自然と、インマンの出会う様々な人達の生き様が織りなす物語。見事です。2017/08/27

🐾ドライ🐾

8
インマンは南軍兵士。戦争の大義を見失い、負傷を機に故郷に帰ってエイダとの再会を決意。無断離隊のインマンは捕まれば処罰されるので森や山を徒歩で進む。 エイダは父親と共に都会からコールドマウンテンに移住。父親が亡くなってから毎日を無為に過ごす。そこに苦労人ルビーが加わることで能動的に生きる・食べる・働く女性へと変化していく。このルビーがとても魅力的でエイダパートの力強い原動力となっている。 インマン、エイダそれぞれに回想シーンがあるが恋仲ではなさそう。秘めた想いがあるのか!?下巻へ…2018/03/22

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