新潮文庫
アンジェラの灰〈上〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 375p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784102025116
  • NDC分類 936
  • Cコード C0198

内容説明

飲んだくれで、愛国主義者で、生活能力皆無の父。家族のために身も心も削り、涙に明け暮れる母アンジェラ。子供たちは次々に病にかかり―でも生き残った者たちは、空腹にめげず仲良く逞しく生きる術を身に付けてゆく。そして皆、父が大好きだ。30年代のアイルランドの町リムリックを舞台に、極貧の一家の日々の暮らしと少年の心の奥底を、ユーモアたっぷりに綴る回想録の傑作。

著者等紹介

マコート,フランク[マコート,フランク][McCourt,Frank]
1930年アイルランド移民の長男としてニューヨークで生れる。4歳の時、アイルランドの町リムリックに移るが、一家は極貧の生活を送った。19歳で単身ニューヨークに渡り、様々な職業を経た後、高校教師となる(英語と作文)。’87年退職。幼少年時代を描いた『アンジェラの灰』は処女作ながらピュリッツァー賞を受賞、ベストセラーとなった

土屋政雄[ツチヤマサオ]
1944年生れ。翻訳家
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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遥かなる想い

157
30年代のアイルランドを舞台にした 家族の物語である。 極貧の日々だが、家族が明るいのが 救われる。少年の眼を通して 描かれる 父マラキ 母アンジェラとの日々 …上巻は 僕が9歳になるまで。 パパもママも健在である。2019/06/11

キクチカ いいわけなんぞ、ござんせん

33
アイルランドの貧しいカトリックの家庭に生まれるくらい惨めな子供時代はない。という作者の自伝。貧しくて常に空腹で少しの生活保護費を貰ったその日に全部パブで呑んでしまう父親と、祈ってばかりの母親と暮らす子供時代。女性を家庭にとどめるアイルランドの社会も良くないが、父親の資質ももちろんよくない。読み止めるタイミングがわからない。下巻をすぐ読み始めた。2019/02/12

James Hayashi

30
ピュリッツァー賞受賞作。世界大恐慌という時期に父親が仕事を失い、ニューヨークから故郷のアイルランドへ家族とともに移住した著者の若き頃の記録。父親は飲んべえで家族はまともに喰うものもない。幼い弟や妹は亡くなっていくが、ストーリーから暗さを感じられず坦々と語られていく。2つの世界大戦の間であり貧乏は当り前と感じるが、オヤジが有り金を酒に費やしていく様子が腹ただしい。下巻へ。2017/03/20

areazione

6
自伝だからこそ、かえって救われる気がする。ニューヨークからダブリン、そしてリムリック。都落ちしていくマコート家の長男フランキーによる自伝だ。そもそも零落していく原因は父にある。彼は酷い呑んだくれだ。有り金すべてをギネスに替えてしまう。平時は気のいい親父なのだが。最貧困の彼らだが、したたかに生きている。志ん生の「なめくじ長屋」ではないが、困窮を極めすぎると人間は不幸を幸に変えられるようになるらしい。もちろんそれは美談ではない。が、多くのことを考えさせられる話ではあります。2014/11/28

inarix

6
「惨めな子供時代だった。だが、幸せな子供時代なんて語る価値もない」 仕事はいつも3週間しか続かず、その間の稼ぎも、失業手当さえも酒代につぎ込むマラキ。そんな男と結婚し、次々に子供を産み、喪い、極貧の生活に身を削るアンジェラ。彼らの間に生まれたフランクの目を通して描かれる一家の歴史。生まれては育たずに死んでゆく弟、そして妹たち。生活はニューヨークからアイルランドへと変わるが、そこでは更なる貧困と病が一家を待つ。子どもの目線ならではの、悲惨ながらもユーモアに満ちた回想録。2014/03/13

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