新潮文庫<br> 森の少年

新潮文庫
森の少年

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  • サイズ 文庫判/ページ数 203p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784102023129
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

モスは、収穫祭の日に見知らぬお客が訪ねてくるのがいやだった。だからひとり、森に分け入っていった。男の子なら必ず体験しなければならない「森の時間」。ヤマアラシとの会話やひとりぼっちの少女との出会いを重ねたモスは、家族の絆や他人への思いやりの大切さに目ざめてゆく…。『朝の少女』で家族の光り輝く愛を綴った著者が再び謳いあげる、鮮烈な魂の成長の物語。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Hideto-S@仮想書店 月舟書房

39
原題【Guests】。大人になる通過儀式として、一人で森に行き自分の物語をみつける【森の時間=away time】を求められる村。主人公のモスはある日、腹を立てた勢いで一人で森に入り、衝動的に【森の時間】を始めてしまいます。迷って途方にくれた彼は、一匹のヤマアラシと出会い啓示を受けます。村に帰り、大人たちに自分の体験を話すうちに自分が変わったことに気づくのです。寓話のように描かれたアメリカ先住民の少年の成長物語。しかし、解説に書かれた不幸な出来事を知ると、物語に自らの祈りを託したのかなとも思うのです。2014/06/30

コジ

29
★★★★☆ 世界の様々な国や地位に様々な成人への通過儀礼がある。この本では森の中で一人で過ごし、本当の自分と対話することで心の成長を促す<森の時間>と呼ばれるネイティブアメリカンの儀式が登場する。ただ、この儀式を体験する主人公の言動から察すると、この儀式は、現在そして将来の自分があるべき姿に悩み、自身誤っている分かっていながら周囲に反発してしまう年頃を迎えた少年少女の大人へのファーストステップ的な位置づけなのかもしれない。この儀式を経験した主人公よりも、その父親の気持ちに共感している今日このごろ…。2019/02/06

yamakujira

7
モスが暮らす部族では、少年は森での単独滞在を経て一人前とみなされる。森でなにをするのか、年上の友達に尋ねても教えてもらえないまま、モスは勝手に森へ足を踏み入れる。藪の物音に驚いて走り出したモスは迷子になり、ヤマアラシと会話する。外見には表れない内面的な変化を、新しい名前を得ることで認められるんだね。アメリカ先住民の伝承を使ったらしい物語は児童文学のようだけれども、子供を育てる心構えを教えているのかもしれない。作品よりも、解説で紹介される著者のすさまじい人生に、野次馬的な興味を感じた。 (★★★☆☆)2017/10/31

青葉麒麟

5
ファンタジーな内容は良かったけど、著者の壮絶過ぎる人生にひいた。しかも数年後に自殺してるってのがなんとも(>_<)2012/01/21

yukinori_h

2
現実の成長がこのお話ほどわかりやすくないのは、多分自覚できないほど変化がゆっくりと進むからなんだろう。2012/01/15

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