新潮文庫<br> ガリヴァ旅行記 (改版)

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新潮文庫
ガリヴァ旅行記 (改版)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 423p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784102021019
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

出版社内容情報

船員ガリヴァの漂流記に仮託して、当時のイギリス社会の事件や風俗を批判しながら、人間性一般への痛烈な諷刺を展開させた傑作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

優希

105
ガリヴァ旅行記と言えば児童文学という印象でしたが、その印象を覆してくれました。様々な国への旅行を通じて痛烈な風刺が展開されています。想像力豊かで丁寧に物語を練りながら、独断と偏見に満ちた皮肉がたっぷりこめられているのを感じます。イギリスにおける事件や風俗を風刺していますが、それが広がり人間嫌いともとれるヘイトまでいくのが凄いです。感傷もなく、骨の随までしゃぶるような悪意と言ってもいいかもしれません。小さい頃の思い出としての『ガリバー旅行記』が飛んで行くようなインパクトの強さがあります。2016/01/21

扉のこちら側

90
初読。2015年1206冊め。【96/G1000】子どもの頃の絵本や児童書の「ガリバー旅行記」の思い出がどこかて行ってしまうインパクト。小人の国とラピュタと日本という穏便なイメージだけで読み始めたら、著者はどれだけ人間嫌いなんだろうと思わされる。さぞかし生きづらかっただろう。【第7回G1000チャレンジ】2015/12/13

のっち♬

76
船医ガリヴァーによる奇妙な文化への旅行記。起伏のある語り口と稚気に富んだ演出で退屈しない。英国への痛烈な風刺小説だが、豊かな想像力と表現方法が圧巻。序盤こそユーモア要素が多いが、非実用的な研究に沈思黙考する学者を通して科学の啓蒙主義を批判した空飛ぶ島あたりから風刺は過激なものになっていく。遂に人間全般に矛先を向けた馬の国が白眉で、人類を野蛮に歪曲したヤフーの登場以降は著者の厭人思想が滲み出ている。彼の批判は屈折したものもあるが、晒された人間の醜態は現代にも響く内容。ヤフーがいるのは本の中だけとは限らない。2019/02/11

夜長月🌙@読書会10周年

75
こびとの国、巨人の国、ラピュタ(空飛ぶ国)、日本、馬の国。まずはガリヴァが日本を江戸から長崎まで旅しているのにびっくり。そして絵本でしか知らなかったガリバーがこんなお話しとは。違う国に行くと自分の国が見えてきます。それどころか馬が支配している国では人間を客観視しています。知性が発達すると理性が伴います。しかし悪知恵も働きます。人は賢くなるに連れ愚かになるのでしょう。2023/06/03

えりか

59
こんなに風刺が効いていたとは。痛烈な批判。人間は愚かしいことこの上ないことが、どんどん伝わって読むのが辛くなる。私たち(少なくとも私)は自分が愚かだということを他人の目を通じなければ、理解することもできない。自分が正しいと思っていることは、本当に正だろうか。無意味な研究を必死に行い、発展どころかどんどん衰退する国の滑稽さ。理性ある(からこその)人間の腐敗や強欲の嘆かわしさ。1700年代に書かれた物語だけれど現代社会にも通じるし、むしろ現代の大人こそ読むべき。第三篇だけ知らなかった。日本に来ていたとは。2018/02/27

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