感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
りく
55
本読みました。 『モーパッサン短編集Ⅱ』(著:モーパッサン、訳:青柳瑞穂) Ⅰに続きモーパッサンの短編集です。この短編集でよく取り上げられていた本物と偽物のテーマについて考察してみました。 http://zizamo2193.hatenablog.com/entry/2017/06/30/1943142017/06/30
mm
13
(1)は田舎編でしたが、(2)は都会編とか。都市部の小市民、つまり役人とか商いとかでお金の気苦労をしながら生活している人達が織り成す悲喜劇。金と都会は切り離せない。1フラン1000円換算で持参金とか宝石の値段とか給料とか計算してみた。どれをネタにしてもショートムービーにしたら面白そう。ここからの視点で、この構図でと決めた時点で、もう物語は成功しているような掬い取り方が気持ちいいな。(3)は普仏戦争参加の経験が影響しているものを集めたらしい。普仏戦争を理解する方が先かな?2016/02/28
ソングライン
10
19世紀後半のパリに住む中産階級の人々の生活を描く短編集です。読みながら、パリとその近郊を描いた印象派画家カイユボットの絵を思い浮かべていました。パリ近郊の水辺の様子と女性の奔放さが描かれる「野遊び」、40年前裕福な家の前に捨てられ、養女として育った老嬢の秘められた恋が切ない「マドモアゼル・ペルル」が好きです。2018/07/30
fseigojp
8
いわゆる都会もの パリの夜を知り尽くした著者の独断場2015/10/09
みくろ
8
モーパッサン短編集2冊目。創作でありながら、その時代その国の日常が見えてくる。正義でもなく悪でもなく、ありのままの人間が表現されているように思う。個人的には「野あそび」「メヌエット」「泥棒」が好き。解説にもあったが、ほとんどの話で女よりも男の方がひどい目にあっていて、女の方はのびのびと自由奔放にその多くがぶくぶくと太って生命に溢れている。美しいパリジェンヌというわけでなく、そうしたどこにでもいそうな活発な女性たちが活き活きと表現されてるのは面白い。3作目は戦争・怪奇編という事で、そちらも読みたいと思う。2015/01/30