新潮文庫<br> ピエールとジャン

新潮文庫
ピエールとジャン

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  • サイズ 文庫判
  • 商品コード 9784102014042
  • Cコード C0197

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ラウリスタ~

18
仏語。親戚でもないただの両親の友人から舞い込んできた遺産。なぜか兄ピエールは無視して、弟ジャンだけが受取人に。灰色の脳細胞なんて持っていなくとも、ジャンの出生をめぐる謎に気がついてしまう。ずっとすっとぼけている母親の姿がなかなかに恐ろしい。ピエール「と」ジャン、でありピエール、ジャンを「憎む」であり、ピエール「は」ジャンである、という言葉遊び。母親の暗い過去を暴き、ジャンを罵倒し、追放されるように去っていくピエールだけが、母親の過去の過ちにたどり着けるほどに母を愛していた。父親は終始蚊帳の外。2016/12/24

きりぱい

17
振り返れば弟のジャンに嫉妬する人生を送ってきた兄のピエール。医者と法律家として同じスタートに立ったと思ったのに、弟にだけ知人の遺産が転がり込んできた。なぜ弟にだけ?と心は嫉妬にむしばまれ、ついには愛する母親まで疑い・・と、幸運が転がり込んだはずの家族の関係がおかしくなってしまう。終盤、母と兄の気詰まりな苦悩の感情を追うだけで泣けてきて、言えば地味なのに情景といい心理といい不思議といいよなあ、なんて思っていたら、モーパッサンをあまり好きでなかった漱石もこれだけは名作だと激賞していたそうで、ほんとですかー!2013/04/06

kaikoma

3
思わぬ幸運が人を不幸にするというのは、実社会でも良く有る話です。典型的な手法ながら、嫉妬を含めて登場人物たちの機微を実に上手く描いていると思います。茅の外になっている家長も、微妙な存在感を醸し出しています。漱石が評価したという逸話も良いですね。2021/06/05

さく

2
小説について、勉強になった。文体にこだわる。2015/03/16

かめ け

1
感動した。2012/08/05

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