出版社内容情報
ずっと側で支えたかった。十二年の”恋“の結末。「今夜、すべてが終わるはずだった」 高校生の頃に出会った美しい探偵・刀根美聖(とねみさと)。彼女に魅せられ、助手として支えた十二年。すべてが解決したかに思われた今夜、俺は彼女と、長い長い電話をする――ふたりで追った四つの事件を辿りながら。追想の僅かな綻びに、優秀な探偵が気付かないはずがない……。その電話が終わるとき、すべての光景が反転する。驚愕の大どんでん返しミステリ。
【目次】
内容説明
「今夜、すべてが終わるはずだった」高校生の頃に出会った美しい探偵・刀根美聖。彼女に魅せられ、助手として支えた十二年。すべてが解決したかに思われた今夜、俺は彼女と、長い長い電話をする―ふたりで追った四つの事件を辿りながら。追想の僅かな綻びに、優秀な探偵が気付かないはずがない…。その電話が終わるとき、すべての光景が反転する。驚愕の大どんでん返しミステリ。
著者等紹介
藤石波矢[フジイシナミヤ]
1988(昭和63)年、栃木県生れ。大正大学文学部、東京ビジュアルアーツ映画学科卒業。2014(平成26)年、『初恋は坂道の先へ』でダ・ヴィンチ「本の物語」大賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
23
高校生の頃に出会った探偵・刀根に魅せられ、助手として支えた12年。雨の夜に辿る4つの事件と、とある探偵助手の献身の物語。出先から家へ帰る途中に田坂に電話を掛けてきて、宿敵で悪党だった国会議員の焼死は自殺だったのか、田坂と記憶を擦り合わせて振り返る探偵の刀根。教育実習生だった刀根との出会いと女生徒の転落死。警察学校に入った田坂とカラーボール事件、渋谷で起きた殺人事件、隣人の失踪、そして宿敵との決着。そこから積み重ねてきた過去の意味をガラリと変える刀根の推理と、その衝撃の結末はなかなか鮮烈な印象を残しました。2025/10/30
huraki
6
高校生の頃に知り合った探偵の刀根からの着信に応じた主人公は過去の事件を回想していく。刀根の助手として共に事件を追い続けた十二年。電話越しに新たな解釈が紐解かれていく。彼女の信念や正義を想い、守られていた真実が明かされるとき複雑な感情に襲われた。2025/11/22
KDS
6
探偵の刀根ミサトとその助手で警察官の田坂の会話劇。電話の会話だけで展開するなかなか斬新な一冊。二人は田坂が高校生の時に出会い、それから十二年の間に解決してきた四つの事件を振り返る。これらの事件全てに関わっていたとされる明松という男が、最近焼死したという事件を受けてのものだった。その明松は政治家の息子で権力を傘にした巨悪の象徴のような男。刀根の天敵ともいえる存在だった。最後のどんでん返しで明かされる真相は驚きもありつつ何故二人がこんな長電話をするに至ったのかが納得できるもの。読者に委ねられたラストの先は…?2025/11/16
ゆり
4
倉知先生の『恋する殺人鬼』を読んだときのような、愛が拗れておかしな方向に進んでいく様子が気持ち悪くもあり、ゾクゾクするミステリー。帯や展開、伏線で大体気づくけど動機がわからず、明かされる動機が共感できない自分に安心した。タイトルの付け方が秀逸ですし、電話越しを使った追い詰め方は面白い挑戦だと思いました。新潮文庫nexなのでライトめではありました2025/11/07
鰹よろし
3
電話越しで互いの顔が見えない状況、刑事であり助手である田坂に寄り添いながら浮かび上がってくる刀根美聖という美しい探偵の輪郭に惚れ込むべし。2025/11/12




