出版社内容情報
それは神への冒?か、穢れた惨劇か――。巫女修行中の姫菜子(きなこ)と環希(たまき)は、「相似巫女(そうじみこ)」と呼ばれるほどうり二つ。ある特別な夜、二人は伝統の神事に参加した。それは閉ざされた村の秘められた祭祀。灯影ゆらめく神託のとき、絶叫が響く。密室と化した本殿で、首と右腕が無い巫女が、祭壇の前に鎮座していた――。謎めいた六人の巫女、二つの家系、禍々しい惨劇の真相とは。〈巫女探偵〉姫菜子と環希の推理が冴えるミステリー。
【目次】
内容説明
巫女修行中の姫菜子と環希は、「相似巫女」と呼ばれるほどうり二つ。ある特別な夜、二人は伝統の神事に参加した。それは閉ざされた村の秘められた祭祀。灯影ゆらめく神託のとき、絶叫が響く。密室と化した本殿で、首と右腕が無い巫女が、祭壇の前に鎮座していた―。謎めいた六人の巫女、二つの家系、禍々しい惨劇の真相とは。〈巫女探偵〉姫菜子と環希の推理が冴えるミステリー。
著者等紹介
月原渉[ツキハラワタル]
1978(昭和53)年神奈川県生れ。2010(平成22)年、『太陽が死んだ夜』で鮎川哲也賞を受賞し、デビュー。個性的な作品を発表し続けるミステリの実力派。日本推理作家協会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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佐島楓
50
ちょっとこの作品はわたしにはピンとこなかった。百合百合しているところとか、本格に見えて論理性が薄いところとか。モチーフもあまりに閉じすぎていて共感できなかったし。この作家のほかの作品を読めば印象が変わるのかな。2025/11/18
よっち
18
「相似巫女」と呼ばれるほどうりふたつな巫女修行中の姫菜子と環希が、閉ざされた村の伝統的な神事で起きた禍々しい惨劇の真相を解き明かすミステリ。密室と化した本殿で発見された、祭壇の前に鎮座する首と右腕が無い巫女。二つの家系を絡めた登場人物のほとんどが巫女という特異な構図の中で、〈巫女探偵〉姫菜子と環希が事件の謎に迫る展開で、ミステリとしてはやや薄めながらも、巫女たちの家族的なつながりや、閉鎖的な村社会に生きる者たちの悲哀といった人物描写や村の背景に重きを置いていた印象で、相似巫女もなかなか存在感がありました。2025/10/30
だるま
14
他人なのに顔も姿もそっくりな姫菜子と環希。二人は「相似巫女」と呼ばれる巫女見習いだった。ある夜、二人は閉ざされた村の伝統の神事に参加する。そこは巫女だけが暮らす村。そして神事の最中に、惨殺された一人の巫女が密室になった本殿で見つかる。他の巫女達は警察に知らせる事を拒み、無関係である相似巫女に謎を解かせるのであった。えーと、これって新シリーズ? 使用人探偵シズカのシリーズは、瑕疵もあるけど面白かった。これは面白くないぞ。相似巫女の必然性が分からんし、巫女の村ってのも無理がある。犯人限定の推理だけ良かったが。2025/11/24
assam2005
14
同じ顔をした巫女二人、本家の巫女と、分家の隠れ宮巫女。舞台は昭和初期、戦後の露の宮の奥深く世間から隔離された隠れ宮。そこでは神社を受け継いできた家の者しか知らない巫女達がいる。外界とは隔離された世界で生きる巫女の一人が祭祀で籠もる中、惨殺。誰が、何故、どうやって?久しぶりに月原さんを読んだので忘れてました。殺され方、エグい…。因習や風習、いろんなものが絡み合い、人々の心を雁字搦めにする。幸せのためにあったものが、いつの間にか幸せでなくなるのならば、それは本当に必要か。簡単に割り切れない後味の悪さが残る。2025/11/16
ほたる
11
設定と事件に引き込まれて楽しく読めたが、ちょっと薄い感じもした。とはいえいい感じであったんじゃないかなと思う。密室で起きていることに加えて、凄惨な現場になっていたのはなぜか。解くための条件の出し方とそれを処理する論理はこの状況ゆえのもので良かった。2025/10/14




