出版社内容情報
この町には、死者を蘇生(そせい)させる秘術があるんだよ。生まれも育ちもここ信津(しなづ)町の、健康(たけやす)、昇太、由佳里は、町を支配する信津寺の住職で、悪辣非道な町内会長の権造を殺害することを決意する。酒に酔わせて風呂に沈めて、大成功!のはずだったのに……。なぜか翌朝、ラジオ体操にピンピン元気な権造が。「誰だよ! せっかく殺したクソジジイを勝手に生き返らせたのは!?」殺人犯が蘇生犯を追う、痛快なユーモアメタミステリーの超傑作、爆誕。
内容説明
生まれも育ちもここ信津町の、健康、昇太、由佳里は、町を支配する信津寺の住職で、悪辣非道な町内会長の権造を殺害することを決意する。酒に酔わせて風呂に沈めて、大成功!のはずだったのに…。なぜか翌朝、ラジオ体操にピンピン元気な権造が。「誰だよ!せっかく殺したクソジジイを勝手に生き返らせたのは!?」殺人犯が蘇生犯を追う、痛快なユーモアメタミステリーの超傑作、爆誕。
著者等紹介
五条紀夫[ゴジョウノリオ]
小説家。2023(令和5)年、新潮ミステリー大賞最終候補となった『クローズドサスペンスヘブン』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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さっちゃん
45
信津(しなづ)町に住む健康(たけやす)・昇太・由佳里は、町を支配する町内会長の権造を殺害。しかし翌朝ピンピン元気な権造が登場。せっかく殺したクソジジイを勝手に生き返らせたのは誰だ!?/閉鎖的な田舎で若者が不満を募らせた結果事件を起こし、その邪魔をするのは誰なのか?と、蘇生の秘術という謎をメインに、ラストへ向けて隠された真実が明らかになる。蘇生犯の見当は早めにつくが、予想外の真相にはビックリ。ドタバタテイストから一転、ちょっと美しいラストにはジーンとした。この後、あの人は正気を保てるだろうか。2025/06/09
よっち
28
町内会で殺人事件ならぬ蘇生事件が勃発。悪辣非道な町内会長の権造を殺害することを決意した幼馴染たちが蘇生犯を追う痛快ユーモアメタミステリ。生まれも育ちもここ信津町の、健康・昇太・由佳里の幼馴染3人組が、町を支配する信津寺の住職で悪辣非道な町内会長の権造を殺害。しかしせっかく殺したのに翌朝は元気な権造がいて、町の謎を解き明かし自分達の願望を達成するため蘇生犯を追う幼馴染たち。今回もまた逆転の発想がぶっ飛んでいて、ここまで来るともはや笑うしかない展開で、加速していった先に待っていた結末まで含めて面白かったです。2025/05/29
ち~
27
町の支配者の町内会会長を殺害した幼なじみ3人組。なのにジジィは翌朝、元気な姿で現れた。町で伝承される生き返りの秘術。生き返らせたのは誰?発動条件は?あの人もこの人も死んでは生き返り、どんどん混乱していく。タイムリミットでハラハラの展開も。ガッツリ読ませる特殊設定ミステリ。153ページ、好きだなぁ。様々な感情を揺さぶるこのラストも素晴らしかった!2025/06/05
Porco
19
町を支配する横暴な町内会長を殺した翌日、そいつは生き返っていた?殺人犯が蘇生犯を追う特殊設定ミステリ。蘇りのギミック一本釣りかと思いきや、主役の健康とその友人の克巳をはじめとした地元民と外様の人間に存在する言外の上下関係や、息子を小さな彼氏扱いする毒親かと思ったら…といい、ミステリより人間模様のエンタメの色の方が強い気がする。終盤までの健康の「悪人ではないけど、お前のそういうところ本当どうかと思うよ」と言われそうな人間性を行動発言で上手く思い至らせていて、人の動かし方が上手い作者だなと感じた。2025/06/18
MINA
17
油断していた。ユーモアメタミステリーって触書やし、いつもの如く肩の力抜いてバカミスと笑えるやつかと。殺人犯が蘇生犯を追う、という前代未聞の痛快逆設定で表紙もインパクトある。けどそれだけじゃなくあらゆる感情が揺さぶられるよな凄いドラマがあって、なかなかに唸らされた。ジヌシーズにクローズドサスペンスヘブンと他作品の色が出てるのも愉しい。何気に章タイトルが面白い。気付けば過去作全部読んでたな。登場人物たちの複雑な屈折した感情が詰まってて、予想外に凄いと思った。あと…栄作って一番とばっちり受けてて可哀想な気が。2025/06/06