出版社内容情報
ここは、小説の世界だ。犯人は■■を消してる!? 朝起きたら、壁に四角い穴が空いていた。あるべきものがない? これって――世界から が消えている!?誰も異変に気がつかない。混乱する僕に突然、金髪の同級生が告げる。「ここは小説の中の世界。俺たちは登場人物だ」次々と消されていく言葉、混沌を極める世界で、僕たちは犯人の正体を突き止められるのか!?紙の本ならではのギミックが炸裂する究極のメタ学園ミステリー、爆誕。
内容説明
朝起きたら、壁に四角い穴が空いていた。あるべきものがない?これって―世界から□が消えている!誰も異変に気がつかない。混乱する僕に突然、金髪の同級生が告げる。「ここは小説の中の世界。俺たちは登場人物だ」次々と消されていく言葉、混沌を極める世界で、僕たちは犯人の正体を突き止められるのか。紙の本ならではのギミックが炸裂する究極のメタ学園ミステリー、爆誕。
著者等紹介
五条紀夫[ゴジョウノリオ]
小説家。2022(令和4)年、『クローズドサスペンスヘブン』で新潮ミステリー大賞最終候補(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kanonlicht
60
設定が面白そうだと気になっていた作品。高校生の主人公は、ある朝世界から が消え、そのうちに や も消えていることに気づく。次々と物が消えていく現象が誰かの仕業だとすれば、誰が何のために行っているのか。これをミステリーと言うのかどうかは意見がわかれるところだけど、ベタな展開やステレオタイプなキャラクターを逆手に取ったという点ではうまいアイデアだと思う。いろいろとツッコミたい部分はありながらも、すべて小説の中で起きていることだからと勢いで押し切る潔さは嫌いじゃない。2024/05/13
ネギっ子gen
55
【正しさなんてものは、個人が個人の裁量で定めた一つの基準に過ぎない】筒井康隆『残像に口紅を』のオマージュなんでしょうね。極端にデフォルメされたキャラが頻出する青春学園ドラマと人が多数死んでしまうミステリーとが奇跡のコラボ。文字抜けや白紙ページなど、紙の本ならではのギミックを愉しむ。<やっと気付いたんだ。失いたくない人たちがいるって。すべてが無価値の世界に何も持たずに僕たちは生まれた。でも、日々を過ごすうちに大切なものができた。主観によって価値が生じたんだ。価値の創造。価値の創造こそが理想的な生き方だ>と。2025/07/29
がらくたどん
45
筒井の御大は読んだかしら?令和6年のエンタメ界頑張ってます♪始まりは定番学園ドラマ。平凡な少年がいて朝が来てダイニングの窓があった場所に穴が開いてて・・(えええ~!?)能天気な青春ラブコメ小説の世界から「ことば」が消える。テキストからは文字が消え、物語からは事物が消える。御大はメガ級語彙力による言い換えで押し切ったが、本作の設定は高校生だ!作者が律儀に高校生っぽい語彙力で世界の崩壊に勝負を挑むのが健気に見える。いや作者じゃなくて二人の少年が健気なんだけど。犯人が「見えた」時、ああこれは青春の彷徨だと思った2025/08/08
よっち
36
朝起きたら壁に四角い穴が空いていた。あるべきものがない?世界から■が消えている?紙の本ならではのギミックが炸裂する究極のメタ学園ミステリ。明らかにおかしいのに誰もその異変に気がつかない状況で混乱する主人公。そんな彼に突然ここが小説の世界で自分たちが登場人物だと告げる金髪の同級生。次々と消されてゆく言葉、混沌を極めてゆく世界をもたらした犯人は誰なのか、そしてその目的は一体何なのか。ベタベタのメタ要素が満載で、確かにこれもまた紙の本ならではのギミックがなかなか面白かったですけど、最後の一言がそれですか(苦笑)2024/05/22
よしぱん
27
★4 だいぶ攻めてる作品である。学園ものを装ったメタ小説と呼べばよいのかな。主人公は「自分が小説の登場人物だ」とわかっている設定で、「1ページ戻ってやり直そう」だの「まだ物語の序盤部分だから解決しないはず」だの平気で言っちゃうw その上で小説世界から次々と物や事象が消滅していき(「窓」とか「暑さ」とか)とんでもないことに、こりゃ誰の仕業だ?てな物語。予想以上にやりたい放題のメッタメタで変化球な一冊。ある程度ミステリを読んで一周した方はより楽しめる、かな。2025/03/23